今年の六月、まだクチナシの香りに出逢っていない。花が咲いている場所は分かっている。図書館への道、海への道。どちらにも、クチナシの花が咲く庭がある。ひっそりとした庭に咲いている。 六月の夜、白い花から重く甘い香りが地面へと降りてゆく。そして闇…
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