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私の第三十四夜をつづります。

日記

「夜明けの歌よ…」

2023年元旦の日の出 大晦日の夜、早く寝床に入った。 そして、いつもより目覚めのよい元旦となった。早起きしたことで、にわかに初日の出を見たくなった。すぐにカメラだけを持って海に向かった。 人魚姫の公園から海に向かう大通りは、驚くほど人々でいっぱ…

月と木星の下で踊り出す人魚姫

29日夕方、買い物を終わって駅に向かっていた。暮れの街角で空を見上げると、明るい星と向き合う三日月が美しかった。 そういえば、先日見た博物館のツイッターで「…夕空に地球を除く全7惑星が(月も!)勢揃い。天王星と海王星は肉眼では見えないので、実際に…

「何もしてこなかったなぁ…」

できれば何もしないでぐずぐずと過ごしていたい性分の私にしては、2022年12月は例年よりマメに動いた気がする。それでも、手帳を開くと、ずっと前に書き込んだ予定のほかには何も書き足されていなかった。手帳を開いてその日をふり返る時間もなく、疲れ果て…

時と空間を共有するということ。

3日の夕方、外に出るとまだ明るい光が残っていた。何となく月の気配を感じて東の空を見ると、そこにはやはり月がいたので『やぁ!』と声をかけた。 急に、買い物の前に海に行ってみようと思った。 浜に着くとヒサカキの匂いがして、”そういう季節”なのだと…

遠い島②

壱岐と対馬の位置(厳原町「ふれあい処つしま」で):今回の旅で見聞したことの多くが、壱岐・対馬の地政学的な位置づけと係わったものだったように思う。大陸や半島から人と文化が渡来する窓口となったこと。元寇が襲来したこと。対馬・壱岐の沖合で日本海…

遠い島①

11月の時間のあらかたが、あっという間に消えていった。 11月半ば頃、家族との旅に出かけた。帰ってから博物館の講座などに出かけた。そのくらいしか思い出せない11月だった(まだ終わっていないけれど)。するすると消えてゆく記憶をとどめるために、せめて…

11月8日の月蝕。

8日の夕暮れ、買い物帰りに横断歩道で立ち止まった。 空を見やると、ビルに隠れている東の空が放射状に明るんでいるようだった。そうか、今夜は月蝕…ビルの後ろでは、その月がもうのぼり始めているのだ。 家の前の道に入って驚く。 道の真正面の空に、大きな…

11月のスミレ

5日の朝も温かな陽射しだった。ベランダに出ると、足もとの植木鉢に白いものが見えて『え?』と思った。 緑の葉の間に小さな花が一つ…スミレが咲いていた。水やりしていても、気がつかなかった、蕾があったなんて。 春のような陽射しに誘われて、新たな季節…

11月の夕方。

もう二度と逢えない。 二度と逢えなくなるかもしれない。 失ったこと。 失うかもしれないこと。 年を取ってゆくと、きっと、そういうことを受け入れやすくなるのだろうと思っていた。 でも、そうでもなさそうだと思いはじめている。 ことに11月の夕方はさび…

「唯ぼんやりとした不安」

秋になって、友人たちの近況がポツポツと分かるようになった。 私と同じように、みな、何とかコロナも夏も乗り越え、ホッとした頃合いのようだ。 そして、私の”ただゆるんだままの気分”は、「唯ぼんやりとした不安」と一緒のものになっている。 たぶん、それ…

朝から「ロック」に乾杯!

今朝の新聞の「朝からロック」に励まされた。 このところ、辺野古での抗議活動をめぐって、”さまざまな人々の感想”を目にしていた。私には到底理解できないものがあった。どうにもやりきれなかった。 おのれの70歳という年齢を思い出し、沸騰する思いを何と…

海に行く。

この数日、家事から解放された。一昨夜も昨夜も…何に疲れたのか…良く眠った。 一人で過ごす空間…。時間と意識は、ゆっくりだったり、あっという間だったり、いつもよりさらに、とりとめなく流れてゆく。 20世紀半ばに生まれ、70年の月日が流れたのだと、つら…

秋は来て 君なき空に 風わたる

夏の間に汚れたカーテンを洗い、掛け直した。 扇風機の羽根も拭いて、片づけた。 ほかにも、季節の変わり目は、小さな家事がふえる。 季節の行事には縁のない暮らしでも、家事のなかに季節を感じる。 《2022年秋の月:10月8日・10日》 十三夜の月は欠けてい…

3年ぶりの一人旅。

9月下旬、”歌人相模“の足跡を探す旅に出かけた。 3年ぶりの一人旅は、体力・知力の低下と、相変わらずの方向音痴のために、当初の予定を充分には消化できなかった(帰りの新幹線は途中で台風に見舞われ、浜松駅で車中泊を余儀なくされるという予期せぬ出来事…

旅空で月を見るなら…。

夏と秋の風がとけあって寄せては返し、夏と秋の雲がとけあわず入り混じるような季節。 ふうふうと暑気を吐き出して暮らしたあとには、ひゅうひゅうと冷気を吸い込む季節が待ち遠しい。 こんな季節の変わり目には何だか旅空を見上げたくなってしまう。 夕方の…

明日から9月。

長い夏だった。 5月末、アポイ岳・伊達紋別岳を訪ねてから3か月、蜂窩織炎と汗疱と酷暑に倦み疲れて、ようやくここまでたどりついた。 腕首と掌と足の皮膚もようやく生まれ変わった。 8月最後の日、南の窓から吹き込む海風がカーテンを大きくはためかせてい…

秋よ来たれ…そして何よりも、平和よ来たれ。

このところ、陽ざしや風が、それとなく新しい季節へ進んでいるのを感じる。 そして、世の中の移り変わりは、ただただ目まぐるしい。しかも、その変化は決して新鮮で魅力的なわけではない。 朝食の支度をしていると、TVの画面から「22世紀の民主主義」という…

実慶作の仏様にまみえる。

17日朝、鎌倉に出かけた。 午前9時の小町通りはまだ歩く人もまばらだった。細長い通りの最奥… 初めて見る”小町通りの消失点”…には、八幡宮の裏山につながる緑があって、新鮮だった。 八幡宮に着き、源平池のほとりに立ち寄ってみる。平家池のそこかしこに、…

紙面は世に連れ、世は紙面に連れ。

”風習”というようなものとあまり縁のない家に育った私にとって、お盆の風習もなじみのないものだ。それでも、ずっと、8月が「死」と重ね合わせの季節なのだと感じてきた。 季節のなかに夥しい過去の死者の魂が甦る…しんとした目のくらむような光のなかで、そ…

拍子抜けの夏。

何だろう…このゆるい感覚の毎日。 私の中で堆積してゆく鬱屈の数々の一つとして、スッキリと決着をみたわけでもないのに。 なぜだろう…報道映像のなかで安倍元首相の最期の姿を眼にした日をきっかけに、なぜかコロナ禍への緊張も、ぼんやりと遠のいてしまっ…

2週間の空虚。

8日午後のネット上の速報、そして翌日の朝刊1面に広がった「安倍元首相 撃たれ死亡」の文字を目にしてから、半月ほどの時間が流れた。 『そんなことが本当に起きるものだろうか…?』 そうした動揺のあと、その”生じてしまった出来事”は、映像として眼の前に…

七夕の次の日に。

8日の午前中、久しぶりに『相模集』の七夕の歌を眺めていた。(このところ蜂窩織炎と蕁麻疹をくり返し、夜になると服薬して床に就くのが楽しみ…といった情けない暮らしが続いている。昨夜も疲れて、七夕の空…新暦の、ではあるけれど…を見上げることなく寝てし…

小さな国に励まされる。

今日眼にした報道のなかで、リトアニアの首相が発した言葉に興味を感じた。 そのロイターの記事には、「ロシアの飛び地、カリーニングラードへの貨物列車による輸送をリトアニアが禁止したこと」に対し、プーチン大統領の最側近が「リトアニア国民が痛みを感…

雨上がりが好き。

昔、『雨が好き』というタイトルの映画があった。観ることはなかったけれど、そのタイトルは記憶に残った。 確かに、昔から「晴れが好き」というより『雨が好きなのかも?』と思うことが多かった。 でもちょっと違う。たぶん、「雨上がりが好き」なのかもし…

梅雨の一日。

今日から数日、家事のルーティンからしばし解放される…少しだけホッとする一日が始まった。 午後になって、ベッドに横になってみる…蜂窩織炎の中心部に小さなしこりを残す左腕をうらめしく眺めながら。 ハッと目が覚めた。いつのまにか、すっかり眠り込んで…

モノクロの美しさ。

先日から、『楽に寄す』の旋律が、くりかえし頭のなかに流れるようになった。(とあるTVドラマの最後のシーンで、その歌曲が流れてからだった。そのソプラノの古風な歌唱は、私のくすんだ心を洗い流すように、台所や街の歩道で、ふと再生されるようになった…

彼女は歌人。

先日、思いもかけない美しい本が届いた。短歌を詠む人からの献本だった。 彼女はとうとうこのように美しい歌集を編んだのだ…。湿疹と蕁麻疹と蜂窩織炎で傷んだ手で、おそるおそる初々しいページを開く。 まっさきに「あとがき」を読み、「著者略歴」へと移っ…

初夏の山道で②

久しぶりの山歩きの1日目は「様似山道」という古道を辿った。瀬を渉り、登っては下り、ひたすら歩いた。カメラの出番がほとんどないまま、歩き通した。天気は下り坂でゴール前に雨が降り出した。 2日目はアポイ岳に登った。天気は回復し、日射しが戻ってきた…

初夏の山道で①

5月の末、久しぶりに山歩きに出かけた。林の中の木洩れ日。尾根道を渡る風。ともかく嬉しかった。張り切って登った。ただ、低山とはいえ、3日続けての早朝からの山歩きは、思わぬ不調をもたらした。 2日目・3日目の登頂後、両掌に激しい蕁麻疹が出た。強烈な…

”今日よりは 顧みなくて america の 醜の御楯と 出で立つわれは”

今朝もベランダには初夏の陽ざしがあった。ふだん通りの時間が流れているのに、そこに漠然とした不安も潜んでいる。 今朝の朝日新聞のTOP記事…23日に行われた日米首脳会談について…にも、そんな漠とした不安の種があった。 ーーーーーーーーーーーーーーーー…