enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.1.12

 海への散歩がてら、図書館に寄った。 
 年末年始に読み切ることができなかった本を借り直し、さらにテバルディのCDを探した。
 
 1日夜の家族の新年会で、よもやま話も食事もそろそろ終わりかけた頃、オペラ歌手の話でひとしきり盛り上がった。酔った次兄はことにテバルディを称賛する(私はカラス、サザランド、ザンピエーリなどを好んで聴いていたけれど、テバルディは親しんだことがなかった)。そして長兄は私たちにオペラ歌手たちの録画を見せてくれながら、「ネトレプコはいいよね」とか「ゲオルギューってどうなの?」などと言う。「それはどうかな?」「そこまで言えるかな?」・・・好みの違いなどから話はヒートアップする。そしてテノールではみな「デルモナコは素晴らしい!」ということで落ち着いたりする(ただ私が全盛期のパバロッティの声を讃えると次兄が反論したけれど)。甥や姪はこの手の話にはまったく加わってこない。「アンジェラって、眼鏡の?」などと可笑しそうに冗談をはさむだけだ。
 
 図書館でテバルディのCDのなかから二つを選んで、海岸に向かった。強い風が砂を巻き上げている。浜辺暮らしの猫もいない。大島の姿もない。ただカモメのような水鳥が風に乗って低く飛び、カイトボードの凧がせわしなく泳いでいた。
 
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