enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.3.24

 よどみ続ける心を洗い流したい。
 連休最後の日、海に向かった。
 ベンチには、久しぶりに”浜辺暮らしだった猫”の姿。
 ベンチから少し離れたテラスの階段にすわる。
 ”彼女”と同じように、今日の浜辺の光と風を受けとめてみる。
 眼の前の砂浜で、小学生たちがサッカーをしている。
 なんて元気なんだろう。見ているだけで、心がほどけてゆく。
 しばらくして、人の気配でふりかえると、”彼女”とご主人たちが帰ってゆくところだった。
 今は、『さようなら、猫さん』…心でつぶやくだけだ。
 渚におりてみる。
 先日の膨大な漂着物の山は姿を消していた。
 波打ち際の砂の上に、文字が書き残されていた。
 「老公??你」
 意味はわからないけれど、”砂に書いたラブレター”を思い出す。
 「老」と「公」の間に、拾った貝とクルミを置いてみる。
 波はいつも、何ごともなかったように、人々のメッセージを消してゆく。
 
3月23日の海
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