よどみ続ける心を洗い流したい。
連休最後の日、海に向かった。
ベンチには、久しぶりに”浜辺暮らしだった猫”の姿。
ベンチから少し離れたテラスの階段にすわる。
”彼女”と同じように、今日の浜辺の光と風を受けとめてみる。
眼の前の砂浜で、小学生たちがサッカーをしている。
なんて元気なんだろう。見ているだけで、心がほどけてゆく。
しばらくして、人の気配でふりかえると、”彼女”とご主人たちが帰ってゆくところだった。
今は、『さようなら、猫さん』…心でつぶやくだけだ。
渚におりてみる。
先日の膨大な漂着物の山は姿を消していた。
波打ち際の砂の上に、文字が書き残されていた。
「老公??你」
意味はわからないけれど、”砂に書いたラブレター”を思い出す。
「老」と「公」の間に、拾った貝とクルミを置いてみる。
波はいつも、何ごともなかったように、人々のメッセージを消してゆく。
3月23日の海