enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.12.30

 陽ざしが残るうちにと、外に出た。
 2014年もあと一日…たぶん今年最後の海だ。
 年賀状書きも大掃除も年の暮れの買い物も終わったのか、それはさておいてなのか…浜辺には淋しくないくらいの人の数があった。30日だというのに…何となく嬉しい。
 風は砂丘に風紋を描くほどだったけれど、凍えるように冷たいわけではなかった。
 久しぶりに海の空気を吸い込んだ。海はいつだって広い。
 波打ち際をたどって歩くと、粗い砂は足の重心をすくうように深くめりこんだ。
 きっと2015年も波の音を聴き、そのリズムとともに歩くのだ。
 夕焼け前の海からの帰り道、町の空から4時30分を知らせる鐘の音が流れてきた。
 空を見上げると、まだ青みがかっている。何となく嬉しい。
 新しい年の先に、春が待っているように感じたから。
 
12月30日の海
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駅に近づくころには街灯が点きはじめた。
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