陽ざしが残るうちにと、外に出た。
2014年もあと一日…たぶん今年最後の海だ。
年賀状書きも大掃除も年の暮れの買い物も終わったのか、それはさておいてなのか…浜辺には淋しくないくらいの人の数があった。30日だというのに…何となく嬉しい。
風は砂丘に風紋を描くほどだったけれど、凍えるように冷たいわけではなかった。
久しぶりに海の空気を吸い込んだ。海はいつだって広い。
波打ち際をたどって歩くと、粗い砂は足の重心をすくうように深くめりこんだ。
きっと2015年も波の音を聴き、そのリズムとともに歩くのだ。
夕焼け前の海からの帰り道、町の空から4時30分を知らせる鐘の音が流れてきた。
空を見上げると、まだ青みがかっている。何となく嬉しい。
新しい年の先に、春が待っているように感じたから。
12月30日の海
駅に近づくころには街灯が点きはじめた。