6月になって最初の日の朝、さわやかに晴れていた。高麗山に行ってみる?と声をかけられた。
まだ、京都の旅のまとめも終わっていない。ホトトギスが啼いているかもしれない…の一言で、部屋のパソコンを閉じた。
歩きはじめれば、空は青く、木々は緑に輝いている。やはり、初夏の光と風は格別だ。花水川の水面近くを、イワツバメたちが元気よく飛び交っていた。
高来神社からは八俵山に向かう道を登った。以前、梢高くオオルリが囀っていた山道だ。今回は、すぐにキビタキの澄んだ囀りが響いてきた。そして、ウグイスに続いて、今年初めてのホトトギス。托卵の時期なのだろうか。その後も、ウグイスの囀りとホトトギスの特異な啼き声が、交互に聴こえてくることが多かったように思う。
春にキレンジャクが舞い降りてきた林で、風の音や鳥たちの声に耳を澄ませた。
ざわついた心を静めるように寄せては返す波の音とは違い、風の音は、素早い動きでその行く先を追わせる。
波は、独り言をつぶやきながらも、私の声も聞いてくれる。風は気ままに駆け巡りながら、私を残して、再び、自由に飛び去ってゆく。波も風も気持ちのよい友人だ。
高麗山の麓を流れる花水川 青い水墨画のように、大山・丹沢の山々が重なる。
アカホシマダラ 翅が傷んでいるようだ。
フタリシズカのつぼみ 咲いたところをまだ見たことがない。