本当に久しぶりの海。
月曜の浜辺は、なぜか家族の姿が多かった。
とても幼い姉妹が、水着姿で小さな波と遊んでいた。
汗をかくほどの暑さでもない。でも冷たそうでもない6月の海。
波が腰まで寄せるたびに、小さな妹は立ちつくし、声をあげて瞳を輝かせる。
そして、波のなかを跳ね歩く。
ちょっとだけ大きい姉は時々、そんな妹を追いかける。
やがて姉妹は波間を離れた。今度は砂遊びだ。
浜で見守っていたお父さんは、姉妹の腰まで砂風呂のようにした。
また、姉妹は声をあげて喜ぶ。
私にはこの姉妹のような思い出はなかったな、と思う。
忘れられたもの(6月15日の海)
ヨウシュヤマゴボウの花と蟻(6月15日の防砂林)