enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2015.6.16

 本当に久しぶりの海。
 月曜の浜辺は、なぜか家族の姿が多かった。
 とても幼い姉妹が、水着姿で小さな波と遊んでいた。
 汗をかくほどの暑さでもない。でも冷たそうでもない6月の海。
 波が腰まで寄せるたびに、小さな妹は立ちつくし、声をあげて瞳を輝かせる。
 そして、波のなかを跳ね歩く。
 ちょっとだけ大きい姉は時々、そんな妹を追いかける。
 やがて姉妹は波間を離れた。今度は砂遊びだ。
 浜で見守っていたお父さんは、姉妹の腰まで砂風呂のようにした。
 また、姉妹は声をあげて喜ぶ。
 私にはこの姉妹のような思い出はなかったな、と思う。

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忘れられたもの(6月15日の海)

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ヨウシュヤマゴボウの花と蟻(6月15日の防砂林)