enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2015.8.14

 12日の早朝、眼が覚めて窓を大きく開けはなった。もう一度ごろんと横になる。朝の空気の底からチチチチチ…かすかに虫の音が聴こえてきた。耳を澄ませてじっと待つ。静かな虫の音。チチチチチチチチ…。蝉たちの季節に続いて、次の季節がすでに始まっていた。
 その日は、海からか空からか、冷気を一筆ずつ混ぜ込んだような風が戻ってきた。開けはなった窓の白い薄手のカーテンが、部屋の中へ大きく羽ばたき続ける。昔、TVで見かけた『シャーリー・テンプル劇場』のカーテンのようだった。
 13日の午後、図書館に向かう道で、綺麗な彩りの落ち葉を拾った。自動車道路にはケヤキ並木が続いている。けれどもケヤキの葉より大きいように感じる。秋のケヤキの黄葉・紅葉の艶、手触りとも違う気がする。似ているのは形だけだった。ノートに挟んだ。
 今夏、猛暑の熱気が身体に溜まり続けている。脳味噌の回線も、とぎれとぎれになることがある。ぼんやりと調べものをしながら、じきに何を調べていたのだったか…。私の頭は大丈夫なのか…怪しく不安な頭だ。
 学習室で書棚と机との間を行き来しながら2時間以上を過ごし、外に出た。聴きなれない鳥の声に誘われて空を見上げる。まだ8月半ば…5時を過ぎても、空は青く、雲は白いままだった。

8月の黄葉(ケヤキ?)
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