enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.1.23

 22日、水辺の楽校に出かけた。風もなく穏やかな陽ざし。川辺から望む丹沢の稜線には雪が消え残っていた。
 花畑に広がる草紅葉のなかで、ヒバリたちが静かにエサをついばんでいる。道脇の枯れた草むらからは、鳥たちの短い声、カサコソと移りわたる音が絶え間なく続く。人の動きとともに、アオジシジュウカラ、シメなどが時々姿を見せる。
 途中、トンボ池の沈んだ水面を眺めていると、木々の間から力強く飛んでくる鳥の影。青緑の羽根、オレンジ色の胸が目に飛び込む。カワセミだった。水を飲みに来て、池に人影を察知したのだろう。わずかの間、高い枝に留まったあと、飛び去った。その際立った色彩とシルエットに心が躍った。
 夏の間、丈高い繁みにおおわれて近づけなかったクルミの木も、根もとまで姿をあらわしている。地面近くでU字状に分かれた太い幹に腰かけてみる。久しぶりの座り心地だった。
 カワセミのように青い川の流れには、カンムリカイツブリアオサギ、カワウの姿。カンムリカイツブリはせわしなく潜水を繰り返しては、思いがけない水面に姿を現す。アオサギはいつものように、省エネのスタイルを守っている。カワウは高い木のてっぺんを独り占めして、くの字に羽根を広げ、お日様にあてている。
 花の色が見当たらないなか、藪の中にひときわ鮮やかな赤い実が残っていた。クコの実だろうか。家にいれば無機的な時間が過ぎるばかりなのに、外の世界は、何と生き生きとした音や色に満ちていることだろう。冬の午後、外の世界にはげまされ、家にもどった。

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花畑の鳥(じっとしたままのツグミ

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冬の陽ざし

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赤い実

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空と木