enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016 .8.31

 8月が終わる日。
 午後になって、外出もしていないのに頭が重くなった。じきに吐き気もやってくる。
 薬を飲み、外に出る。8月最後の日の海を見ておきたかった。

 海への道。やや乾いた風が吹きつける。
 海岸近くの人家のガレージの前を通り過ぎようとすると、ツバメの鳴き声が聞こえてきた。
 今夏、3羽のヒナが黄色いクチバシを精一杯大きく開けていたことを思い出す。
 少し戻って覗き込む。成長したツバメが1羽、巣から頭を出して鳴いていた。なぜ、1羽だけ残っているのだろう…。

 砂浜には台風10号の風の跡が残っていた。くっきりとしたカラス(?)の足跡を追いかけながら波打ち際まで歩く。
 ライフセーバーのボートやフラッグが西陽のなかに並んでいる。その影も夏の終わりを告げているようだった。

 波に洗われそうに三脚を立てている人影もあった。もうすぐ西の空に、富士山が姿をあらわすのだろう。
 
 8月最後の海を眺める。拾った貝のかけらを波で洗う。そんなことが今年の夏のしめくくりだ。

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8月31日・アシアト

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8月31日・ヤツシロガイのかけら

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8月31日・波