enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.10.21

 20日は長袖よりも半袖、そんな”小夏日和”(?)だった。
 用事のために街に出た足で、総合公園に向かった。
 秋の薔薇が咲いているかもしれなかった。
 
 公園に着くと、空を覆う大きな木々から、ハラハラと木の葉が舞い降りてきた。
 林のあいだを、アサギマダラが漂って、じきに姿を消した。
 
 薔薇園の小道に入ると、すぐに濃い香りに囲まれた。
 薔薇たちは季節の終わりを迎えながらも、まさに今を盛りと咲き匂っているように思えた。

 黒みがかった紅い薔薇は重く濃く。
 オレンジ色がかった薔薇はキンモクセイと似通うような。
 ごく淡いピンク色の薔薇は気高く。
 みな、内に秘めていた香りを、今一斉に解き放っていた。
 
 公園で最後に出逢った香りは、薔薇たちよりも生来自由で開放的な甘い香りだった。
 カツラの木の華やかな黄葉を見上げ、今年もそんな季節になったことを知った。

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紅い薔薇(10月20日

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カツラの黄葉(10月20日