enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2017.5.28

 駅前の公園の薔薇たち。
 薔薇たちが命の盛りを迎えたその時。
 時は薔薇たちの行く末を見通している。
 公園の人魚姫は今、夕方の白い光と白い水しぶきを浴びながら、そうした薔薇たちの行く末を惜しんでいる。

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5月27日の人魚姫と噴水

「絵のない絵本」第十八夜から
「…噴水からふきあがる水が大理石の水盤に落ちる音のなかに、すっかりこの水に浮かんだ町の古いおとぎ話を聞くような思いがします。そうです、たしかに、噴水は、この町のお話を語っているのです。また、岸うつ波は、この町の歌をうたっているのです!…」(『アンデルセン童話集 絵のない絵本』 創元社 1953年)