enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2017.7.13

 朝から、空模様が移り変わってゆく。
 曇り空から涼しい風が吹き込み、じきに雨が降りはじめる。
 洗濯物を取り込み、窓を閉める。
 ひとしきり降ったあと、薄日が射し、やがて、もとのような曇り空に。
 窓を開け、風を入れる。

 そんな空模様の合間を縫って、次兄の家に向かった。
 海辺に続く道路から外れて、細くてゆるやかな坂道に入った先に兄の家がある。
 母の家も、同じように細い道の先にあった。過去の記憶と親和的な細さの小道…。
 
 兄の家の勝手口の門の上には、オレンジ色の花が鮮やかに群れていた。
 ノウゼンカズラが咲く季節なのだ。

 お坊様を待つしばしの時間、兄ととりとめのない話をする。
 私たちのまわりから去ってしまった過去の家族の時間、過去の家族の場面を呼び戻す。
 お盆は、私には、そういう”しばしの時間”だ。

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ノウゼンカズラ平安時代には「乃宇世宇」と呼ばれたという。平安時代の「乃宇世宇」という花にも、このように南国らしい花の印象はあったのだろうか。