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私の第三十四夜をつづります。

2018.6.12 ~与喜山・二上山の麓を歩く(1)~

 9日、すでに梅雨入りした空の移ろいを気にしながら、奈良への短い旅に向かった。
 その日の午後、葛城市歴史博物館で講座を聴くためには、晴れの続く日を見計らって…というわけにはいかなかった。
 予報されていた雨が降り出したのは10日の16時頃。二日間の予定を終え、大和八木駅で「しまかぜ」に乗り込む2時間ほど前だった。
 待ち時間を惜しむように、駅の外に出る。「八木札の辻」まで傘をさしてゆっくり歩く。恐れていた雨であったのに、二日間、慌しく歩き回った私の足に”休息時間”を告げるような優しい雨に変わっている。その雨と重なるように、旅の終わりの充足感が痛み始めた足に染みわたっていった。

<与喜山の麓で>

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長谷寺駅からの眺め①:
正面の山は目的地の与喜山(天神山):
長谷寺へは3回目の訪問になるのだと思う(たぶん)。なつかしい思い出。
しかし今回、午後の予定のために、長谷寺を参詣する時間が無い(”仁和寺の法師”とも違う哀しさ…)。

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駅から長谷寺へ:
初瀬川(大和川)の流れ、赤い橋、与喜山(天神山)。
歌人相模”を知ってからは初めての初瀬。とうとう来ることができた…独りよがりの感慨…。

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参道で①:
6月(旧暦皐月)の紅葉。寒暖の差が大きいからなのだろうか。
歌人相模”は「神無月」の初瀬参詣の旅のなかで、「ふるの社」と「鍋倉山」の紅葉を詠んだのだった。その「鍋倉山」(与喜山、天神山と想定)の麓はもうすぐだ。

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参道で②:
それぞれの新聞名の個性が並ぶ(「日本経済新聞」の書体が素っ気ない?)。

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参道で③:
店番?の眠り猫。足元が愛らしい。

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参道で④:
古い蔵(家?)と頑丈そうな石垣。

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苔むした道:
素盞雄神社と與喜天満神社を結んでいる…とは知らずに通った道。

その全体の姿はカメラの画郭に納まらない。説明板に「イチョウの巨樹としては県下最大のもの」と記されている。
長谷寺から、この大イチョウの黄葉した姿を望めるのだろうか。
やはり、秋の「鍋倉山」(与喜山、天神山と想定)の紅葉、そして素盞雄神社の大イチョウの黄葉を見てみたい…。

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参道で⑤:
帰り道の参道で。小走りに駅へと急ぎつつ、窓の桟のデザインに惹かれた。

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長谷寺駅からの眺め②:
電車の時間ぎりぎりまで与喜山の麓で過ごしてしまい、息せき切って駅にたどり着く。
名残惜しい景色(せっかくここまで来ていて、長谷寺には一歩も入ることができなかった…)。