enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

ローズさん、さようなら。

 ”兼高かおるさん”、貴方の本名は”ローズさん”だったのですね。
  
 子どもの頃、ブラウン管TVにかじりつくような近さで、「兼高かおる 世界の旅」を観ていました。
 大人の女性である貴方と芥川さんとのやり取り…お二人の声が今もそのまま聴こえてくるようです。
 見知らぬ遠い国々への憧れ…なつかしくなって、あのテーマ曲をネットで聴いてしまいましたよ。
 
 ”時代の夢”というものがもしあるとすれば、私が知っているのは、”1960年代という時代の夢”だったようです。
 
 ”時代の空気”というものは、”平成”という時代にもあるのでしょう。
 でも、”時代の夢”というものは、その深い夢から醒めて初めて、そのイメージを思い起こせるもののようです。
 そして、”醒める”というのは、その夢のなかに深く沈潜していたからこそ醒めることができるのですね。

 貴方の最後の旅立ちを知り、それをきっかけに、なぜかつらつらと、私がとうの昔に夢から醒めていたのだと気がつくことになりました。

2019年1月9日の樹(ヒメシャラ)
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