enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2019.1.19

 夕刻、外に出てから、今夜は十三夜だろうか?と思った。
 部屋に戻り、小さなカメラをバッグに入れて図書館に向かう。
 
 そもそも読書力が乏しいうえに翻訳本は苦手だ。それなのに、見知らぬ分野だからこそ、なぜか読みたくなった本があった。そして、その出版社の名前が素敵だった…”海と月社”。

 「熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」

 ”海と月“から私がイメージしたのは、額田王の歌だった。
(手にした翻訳本の表紙そのものは、昔読んだ『妻を帽子とまちがえた男』を思い起こさせたのだったけれど…。)
 
 できればこの本を読みきりたい、読むことで見えなかった世界が見えてくるかもしれない…そんなことを思いながら図書館を出る。
 途中で『そうだった、月だった』と思い出した。
 東の空を探すと、雲間に十三夜のようなふくらみの月があった。

 額田王が見た月は、この月とは違って満月だったろうか。
 『今は漕ぎ出でな』…この歌言葉は勇気に満ちてりりしい。
 今ほしいものは、ほしいものの一つは、勇気かもしれない。
 満月と言わず、十三夜月ほどの勇気がほしいと思う。

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1月19日のボケ

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1月19日の月

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”うつむく顔無し”のような街灯と”真珠の雫”のような月