enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

とぼとぼと。

 図書館から借りてきた翻訳書を読み始めた。
 最近、読書の出だしで挫折するばかりなので、おずおずと読み進める。それでも、じきに書き手の力が伝わってきた。癖の無い、なめらかな翻訳文のおかげかもしれない。これなら読み通せそう…久しぶりにそんな気持ちになれたのが嬉しかった。(とぼとぼと、あまりにゆっくり読んでいるために誤植まで目に入ったりする。意地悪な気持ちではなく、こんなことも嬉しかったりする。本を作る人々を身近に感じるからだろうか。)

 思えば、社会人になってから徐々に本を読まなくなっていった。毎日毎日、通勤電車のなかでは睡眠を貪った。仕事を持ち込む必要の無い休日は、うかうかと遊びに出かけた。
 本屋さんに行っても、自分が何を読みたいのか、本当に分からなくなった。
 私は読書の喜び、読書の習慣を失ったまま、今に至っている。だから、本の無い生活など考えられない…そんなふうに見える人がいると、本が無くても平気な自分が情けなく思えたりした。

 70代という異次元の年代を目前にした今、少しでも本に近づかなければきっと後悔することになると思う。
 だから、今読み始めた本が魅力的に思えることがとても嬉しい。

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馬入川(相模川河口)に映る月影:1月20日の満月。「川で月の道を撮ったから」と、家族から貰った写真。