『9条入門』の表紙カバーに1枚の写真が使われている。
そのキャプションには、
また、後方のステージには大きな日の丸が広がり、その前で外国人らしき人がファインダーを覗くような姿勢で立っている…。
『9条入門』を読んだ直後だった。この写真を眼にして、その場所…皇居前広場に一瞬紛れ込むような錯覚があった。そして、唐突に、涙で写真がぼやけた。
『9条入門』の筋書きのスリリングな展開にドキドキし、どこか文学的な?筆致にワクワクするなかで、これまで”9条”の上にずっとかかっていたモヤモヤに、少し晴れ間が見えてきた…そんなふうに感じていたにもかかわらず、情緒的な反応というものは、どこか別のところから脈絡なくやってくるものらしい。
どこまでも因果な…どこまでも、どこまでも、因果な戦後の時間が流れ続けている。
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【298頁】
【299頁】
「 個別国家の戦争を違法とする国連の集団保障の理念を崩壊させたのも、ダレスが憲章に書き込んだ集団的自衛権(同51条)という概念でした 」
【322頁】
「 ほとんど、なすすべもなくダレスに完敗した日本の独立交渉は、その敗因が天皇による二重外交にあったのではないかと豊下は指摘しています 」
【323頁】
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