9月6日夕方、海に向かった。
私にとって、4か月ぶりの海だった。
浜辺にはカメラを手にした人々の姿…いつもとは違って、期待と予兆に満ちた浜辺。
みな、今日こそはダイヤモンド富士を、と待ち構えているのだった。
でも、西の空には雲が広がり、富士の姿はどこにも無い。
少しだけ足をかばいながら、砂丘を下り、波打ち際に向かう。
久しぶりの平塚の海…広い…。
大島のかすかな青いシルエット。
繰り返す波の動き、響き。
夕陽の在処まで続く黄金色の波の道。
広い空には右半分だけの白い月。
いつものように変わらずにある海。
ここでは、すべてが充たされているように感じる。
波打ち際で、小さな小さな穴から素早く出入りを繰り返しているカニたち。
波とかくれんぼをしているようなカニたち。
自分の4か月の空白が、カニの穴のように波で満たされてゆく。
西空の雲は動きそうにはなかった。
再び、砂丘を渡る。名残り惜しいけれど、またいつか。
コメツキガニ?(体のなかに浜砂が詰まっているような?)
夏の名残りのノウゼンカズラ (海岸通りで)