11月30日。
「明日からもう師走…」
今日、友人からもらったメールのなかにそう書かれていた。ドキッとする。
毎年、12月ともなると、『ぐうたらな一年を過ごしてしまった自分』にがっかりし、落ち込む。
今年も、『毎年ぐうたらなままの自分』にがっかりするのだ。
諦め…居直り…どうあがいても、この先、変わるはずのない自分を認めてしまえばよいのに。
夕方、海に出かける。日没に間に合うか、ぎりぎりの時間だった。
浜辺に近づくと、海から帰ってくる人々とすれ違った。『遅かった』と思う。
やはり、西の空に夕日の姿はなく、箱根の暗い稜線が、オレンジ色の空を鮮やかに切り抜いていた。
富士山はくっきりと、大島はやわらかに、いつもの場所に在った。
水色を残した空には、細い細い月がポツンと浮かんでいる。
『ぐうたらなままなんだろうな、来年も…』
見上げたお月様はあまりに遠く細く、私のつぶやきが届きそうになかった。
11月30日の海①
11月30日の海②
11月30日の月