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私の第三十四夜をつづります。

富雄丸山古墳で②

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「斜縁神獣鏡」の破片

 

富雄丸山古墳の現場から部屋に戻ると、サプライズのプレゼントが待っていた。

つい最近の出土遺物「斜縁神獣鏡」の破片が、用意されていたのだった。参加者たちは間近でその貴重な遺物を見ることになった。

「斜縁神獣鏡」のその破片は極々薄く、つまめばパリッと割れてしまいそうだった。それでいて、”乳”という突起部分は、現代の光のなかで”普通に”輝き、存在感を主張している。ニュースで知ったばかりの出土遺物が眼の前で”確かな存在感をもって”光っている。再び、すごすぎると思った。

 

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こうして、私の発掘体験は終わった。
発掘成果は過大な期待に反してはなはだ乏しいものだったけれど、「富雄丸山古墳」を知ったこと、その発掘体験に参加できたことは、期待以上の大収穫となった。

バス停に戻り、再び「富雄丸山古墳」の山を見納める。
そして、発掘調査が終わったあとも、その姿を大きく変えることなく、時間を超えた存在のままに、この富雄の地に残り続けてほしいと願った。

  
:『奈良新聞』(2019.11.29)によれば、「斜縁神獣鏡は3世紀ごろに中国北東部から朝鮮半島北部の地域で製作されたと推定。国内で45面確認されているが、円墳では金比羅山古墳(京都府)など数例で珍しい。今月初めの発掘調査体験会で参加者の男性が発見。」とされている。

 

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