enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

”別世界”の海。

この3週間ほど、”自主隔離”に近い生活が続いていた。

日常の時間がよどんでくる。清らかな空気を胸いっぱいに吸い込みたい。

 

家族から、海の近くで桜が咲き始めていると聞き、それならばと海へ向かった。

海への道の途中、店先に植えられたローズマリーの花と葉に、ざわざわと手を触れる。
とがった強い香り…その香りをかぎたくて、触れないではいられない。

(よどんだ脳味噌はすぐさま覚醒し、『 ローズマリー ……  ♪ スカボローフェア ♪  ……  ♫ she once was a true love of mine ♫  ……  』と、連想の道筋をたどりはじめる。そして、『それにしても、”a true love of mine”とはどんなもの? 日本の言葉や表現で置き換えると何?』と、ふたたび脳味噌はよどんでゆく。)

 

確かに、海岸通りの歩道橋の下に、白くけむるようなサクラの姿があった。近づいて見上げると、止むことのない冷たい風に、やわらかな花びらや蕾を揺らし続けていた。

 

 

f:id:vgeruda:20200324225659j:plain

f:id:vgeruda:20200324225641j:plain
3月24日のサクラ

 

浜辺からは大島、箱根、富士山が望めた。
凶々しさの一かけらも潜んでいなかった。
凶々しい現実とはつながっていない”別世界がそこにあった。

 

f:id:vgeruda:20200324225551j:plain

f:id:vgeruda:20200324225611j:plain3月24日の海

 

【海岸への道で】

f:id:vgeruda:20200324225720j:plain
巣上のトンビ(松林で):ここでも、日常の暮らしが?

 

赤い縁どりの若葉(石垣の上で):ただ成長するのみ、の姿?

f:id:vgeruda:20200324225741j:plain