先週半ばから図書館の予約受付が再開された。嬉しいニュースだった。
思えば十数年前頃からだったろうか。
身近な図書館・博物館・美術館などの文化施設が、財政・経済効率上のさまざまな締め付けのもとに、本来の運営に発揮すべきエネルギーを消耗し、疲弊してゆくのではないかと感じるようになった。
さらに追い打ちをかけるように、今回のコロナ禍は、地域の文化施設が積み上げてきた地道な努力や活動を停滞させることとなった。
ただ、その反面、こうした文化事業の公共的な役割、それらが存在し持続することの意味合い…その存在の場が失われたり、その存在の役割が変質しては困るのだということ…を、人々に思い起こさせるきっかけになったのかもしれなかった。
どこかで、もう元通りの生活には戻れないのかも…という漠とした不安は消えないけれど、とにかく、予約した本を受け取りに図書館に出かけるという生活ルートが、息を吹き返した。こうして、よどんだ生活のなかで、少しずつ、息を吹き返すことが増えてゆきますように。
【人魚姫の公園で】