enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

咲き始めた萩の花?

 

この夏の何という…。

連日、うだるような…。

これまで記憶にないような…。

この生身の身体が腐ってしまわないのが不思議なような…。

明日こそ兄にマスクを届けようと思いながら、速足で往復40分ほどの道のりを思い浮かべ、ずるずると先延ばしにしていた。

 

昨日、早くに目が覚めた。
陽射しが牙をむく前に…と、朝5時過ぎに家を出る。

兄の家までの途中、私が通った幼稚園や、いくつもの公園の横を通り過ぎる。

幼稚園の歩道には涼し気な白百合が間を置くようにして咲いていた。

公園には人影もなく、朝の光も穏やかに射し込むだけだった。

植え込みから道に枝を伸ばしながら、わずかな花をつけているのは萩の花?

もう咲いている?…と思い、足をとめた。

 

兄の家に着く。
庭から仄暗い部屋を覗き込むと、兄は寝床に横たわり、小さな灯りのもとで何やら本を読んでいた。

声をかけると、驚いたようすで起き上がり、窓辺にやって来る。

抽選で手に入れた2枚のマスクを渡す。2枚のうちの一つをさっそく着けてもらうと、大きさも合っていた。良かった。

こんな時間に兄の家を訪ねたのは初めてだった。
兄は、この時間、あんなふうに本を読んで過ごしているのだ、と思った。

ちょっと話をして暇を告げる。

縁側の兄から、「汗をかかないように、ゆっくり帰りなさいよ」と声が掛かる。

来た道を同じように引き返す。

気がかりだった用事がすんだ。
帰り道はだいぶ陽射しも力を増していた。
昨日という日は、室温が34.6度までのぼりつめたのだった。

 

f:id:vgeruda:20200812214436j:plain萩の花?