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私の第三十四夜をつづります。

ブルーンムーンへの願いごと。

f:id:vgeruda:20201102130456j:plain2020年10月31日のブルームーン

 

 

2020年10月31日の満月は、”ブルームーン”と呼ばれるものだと初めて知った。しかも、願いごとが叶う特別な満月でもあるらしかった。

 

10月半ばに八幡平で夜空を見上げていた時、頭上を星がサッと流れていった。北から南へ、暗い空に光跡をひいて、あっという間に消え去った。流れ星に願いごとを託すというのは至難の業だと思った。

しかし、満月はのんびりと夜空を渡ってゆく。静かに輝く満月に向けて、思いつく願いごとをいくつも届けることができるのだった。

 

その願いごとの一つが叶ったようだ。
11月1日夜の開票速報で、大阪「市」の存続が決まったことを知った。


その確かな一報が流れるのを待つ間、東京の友人とメールのやりとりをした。友人は大阪で生まれ大阪で学んだ人だった。「大阪市、おめでとう!」と送りながら、一つの気がかりが消えたことを実感した。

報道番組の画面から、大阪市長の敗戦の弁が聞こえてくる。
彼はその饒舌な言葉のなかで、「これだけの大きな闘い…問題提起をできたことは政治家冥利につきます」と語っていた。

”冥利”の言葉に引っかかった。

広辞苑』では「①善行の報いとした利益。②神仏が知らず知らずのうちに与える恩恵。③誓いの詞。」などと説明される「冥利」という言葉。

前回と今回との投票で、「賛成」か「反対」かという選択を迫られた人々。人々の間に対立と分断を生じるような問題を二度にわたって提起したことを、「政治家冥利」という言葉で、個人的な満足感・達成感として肯定するのは、あまりに勝手と勘違いが過ぎないか? そう思った。 

 

しかし、とにもかくにも、大阪「市」の歴史が続くことが決まったのだ。
そして、願いごとはまだまだたくさん残っている。
(お月様、どうぞよろしく…また、次のブルームーンの2023年8月31日夜もどうぞよろしく!)