enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2011-03-28から1日間の記事一覧

06.1.12

絵のない絵本 私が冷たい星くずになって ふるさとの星に別れを告げようとしたとき 黒く波打つ海に光の砂の島が浮かんでいたのだった。 私は眼を凝らした。 なつかしい胸さわぎがして。 そして三日月の形に光る島の岸辺に 忘れがたいひとの影をとらえた。 六…

05.7.5

誘いと惑い 蝶は幻惑に捕らわれている ひらひらと ひらひらと 花屋の冷たい硝子窓が誘っている ひらひらと ひらひらと 硝子窓の奥にはツクリモノの花たちがほほえんでいる ひらひらと ひらひらと 蝶は捕らわれている 短いいのちを ひらひらと ひらひらと 「…