enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2021-01-01から1年間の記事一覧

あったかな本

12月になって読み始めた本がとてもあったかかった。 いつになく、用事を早くすませて本の続きを読みたい!と思った。(おかげで、年末のルーティンを果たさなければ…と重荷に感じる12月なのに、今年はやけに気持ち良く”テキパキ”片づいてしまった。) そのあ…

グローブの中に蝶?

やはりこれが”古希”というものか? 最近、がっかりすることばかりだ。固有名詞がどうにも思い出せない、機械操作にマゴマゴする、忘れ物がふえる…順調に衰えてゆく”脳力”を自覚してはいるけれど、その衰えのひどさ具合がいや増している。 そんななかで、今日…

♫夕陽よ ゆっくりと♫

なぜ「”冬”の日はつるべ落とし」とは言わないのだろう? 12月、陽の射すうちにと海に出かけても、帰り道には火灯し頃のもの寂しさが広がっている。空や雲が薔薇色に染まりはじめた頃に浜辺を離れたとしても、町に着く頃にはクリスマスの電飾がまたたき始めて…

四万川~日向見川沿いで③

摩耶ノ滝から再びトロッコの道を戻り、奥四万隧道を通り抜ける…トンネルの中で ♫ ヤッホー! ♫ と叫んでみた。車も通らず、長く反響する…。 ダム湖の深緑色の水を眼下にしながら、奥四万湖畔を一周した。途中、山中では、夥しい数の猿の群れが、斜面の落ち葉…

四万川~日向見川沿いで②

四万温泉の湯はほぼ無臭・無色透明・中性…草津の湯に比べ、とてもやわらかな湯だった。湯疲れも無く、翌日は四万川の小泉の滝・大泉の滝を経て、日向見川沿いに「日向見薬師堂」へと向かった。その日向見川の先には「摩耶ノ滝」、四万川へと引き返した先には…

四万川~日向見川沿いで①

12月上旬、家族と四万温泉へ出かけた。 子どもの頃から悪化と寛快を繰り返してきた喘息と皮膚湿疹が、コロナ禍のマスク着用や草津温泉の効用なのだろうか、この1~2年でかなり良くなっている(吸入薬に頼る回数が減り、肌のまだら模様もほとんど消えた)。 最…

カズラガイ

今日12月14日、真鶴沖で軽石の漂流が確認されたとの報道があった。 雨も上がり、寒さも少し和らいできた夕方、いそいそと海岸に向かった(何と物見高いことだ)。 いつもの浜辺に人影はほとんどなかった。もちろん、軽石を探す人など、私以外にいるはずもな…

10年、そしてまた10年?

2011年春に”enonaiehon"を始めてから10年。 その2011年暮れに還暦を迎え、今、古希となって2021年暮れ…なんと古希とは…。 長く生きさせてもらったと思う。 そしてまた、あと10年も?と思う今。 行く秋に 緑のこして 散る銀杏

浜辺で見つけたもの

26日、昨日の気持ち良い外歩きの続きをしたくなって海に出かけた。 浜辺には、釣りをする人、貝拾い?をする人の姿。 そういえば一昨日も風が強かったので、いつもより貝が打ち寄せられているかもしれない。私も久しぶりに波打ち際を探してみた。 『?…!』 …

八俵山から湘南平へ

25日、友人と朝から大磯に向かった。 コロナ禍で2年以上も外出を控えてきた友人と、股関節廻りの筋肉に不安のある私。後期・前期の高齢者がゆっくりと秋の山道を楽しむには、高麗山はうってつけだ(あの風が吹き渡る尾根道、木洩れ陽が射す林…思い描くだけ…

12年前も何かしらを期待した。

19日、立憲民主党代表選に立候補した4名の記者会見を視聴した。 これまで、彼らについて、国会中継や報道、ネットなどを通じて、ほんの切れ端の印象・情報を持っていただけだった。 が、今回ようやく、それぞれの持ち味や考え方の”違いのようなもの”を、私な…

”貼れパネ”からの解放?

14日、久しぶりに友人と待ち合わせをして博物館に出かけた。特別展『神奈川の大地‐1億年の記憶‐』を観たあとに、講堂で担当学芸員による解説を聴く…長く不安なコロナ禍の日常から、ようやく抜け出しつつあるような…そんな時間になった。 といっても、慣れ親…

”5号の薔薇の絵”

昨日、次兄が菜園で収穫した立派なサトイモを届けてくれた。 車のドア越しのやり取りがつい長くなり、兄が最近読んだ本の話になった。(次兄は日頃、私よりずっと多くの本を読んでいて、その本のことが時々話題になる。私はたいていそれらの本のことを知らな…

あざなえる縄のごとく。

4日、馬入水辺の楽校に出かけ、川べりの秋の陽射しを楽しんだ。 日常的に直径2㎞以内でウロウロ暮らすだけの私でも、このところは、これからの野党共闘の行方、立憲民主党の行方、憲法審査会の行方…といった彼方の世界のさまざまな情報に心乱されることが多…

44%の沈黙の重さ。

11月1日の朝になった。 昨夜は、日本の有権者の56%が投じた票の行方に一喜一憂した。 そして今は、44%もの人々の投票権が棄てられてしまったことに落胆している。 なぜなのかなぁ…。もったいないなぁ…。使わないなら譲ってほしいくらいなのになぁ…。 私たち…

『頼朝以前』…そのタイトルに惹かれて…

【12C中葉とされる相模国府移遷(大住郡 ⇒ 余綾郡)の動きと、当時の相模国司・国主たち(八条院に近しい人々?)や相模国での源義朝の動き(たとえば、三浦氏・中村氏を従えての大庭御厨乱入など)とは、連動するものなのか?】 この問いかけは、私の頭の中…

期待と不安の秋。

20日、期待をもって海に出かけた。とても空気が澄んでいたので、富士の姿を期待したのだ。 その日の海は、波の色も澄み、大島のシルエットもひきしまっていた。ただ、西の空には雲が広がり、富士山のほとんどがその中に隠れていた。 砂浜では高校生たちがラ…

2021年の秋:八方と栂池②

八方尾根と栂池には、2018年晩夏と2021年秋に訪れた。 景観としては、八方尾根は開いていて、栂池は閉じている。ただ、八方尾根では、心も身体も高みへと前のめりになり、栂池では、心も身体も風とともに回遊し飛び回る。 栂池の湿原に出ると、吸い込んだ空…

2021年の秋:八方と栂池①

迷走していた夏が終わり、季節は新しい段階に入った…かのような気持ちになった10月。3年ぶりに白馬・八方~栂池へと向かった。 最近は、旅の記憶も記録写真に頼っている。覚束ない記憶のよすがとしての写真…その整理をする気力が続かなくなっているのは困っ…

平塚の海は、辺野古の海の「身内」だ。

今朝の朝日新聞の記事【 戦没者の遺骨眠る土「使うな」 辺野古埋め立てに採取 全国で反発 】を読み、何だか元気が湧いた。めったにないことだ。朝から嬉しい気持ちになって、さっそく記事を切り抜いた。 記事中の小さな見出しは【 地方議会 意見書を可決 】…

何もしない時間。

渚で羽ばたく人(9月24日) ここ数日、家事から解放されたことで、”何もしない時間”を味わいつくすことになった。長い夏のあとだからなのか、疲れがたまっていた。好きな時間に起き、好きな時間に寝た。借りていた『日本霊異記』も読んだ(読みながら、こん…

夏の残りの暑苦しさよ。

お彼岸を待たずにすっかり秋になった…はずだった。 台風一過の19日、お墓参りをしながら望んだ丹沢の山々は、ひときわ鮮やかな山肌を見せていたのに。 友人が暮らす安曇野でも、黄金色の田んぼが、稲刈りのあとにはすっかり寂しげになったというのに。 今日…

秋の海。

16日夕方、日本酒と葡萄を届けようと、次兄の家に向かった。 途中で、遠くの横断歩道を渡る次兄の姿をとらえた。散歩に出たのだろう。ゆっくりとこちらに近づいてくる兄に手を振った。 道の向こうから眼を細めて私を確認した兄は、ちょっと疲れた様子だった…

まだまだ…らしい。

2021年…今年中に70歳になるのだ、この私は。およそちぐはぐではないか…70歳なら、もう少し何とかなっているはずではないのか。 30歳になるなんて信じられな~い…と叫んでいた頃と同じように愚かしく頼りない自分が、今なお、この世界で生き延びている。70歳…

観音様の気になる後ろ姿

雨が降りやみそうもない9日朝、上野に向かった。6月以来の上京だ。感染が収束しないなか、車中は本を読んで気を紛らわした。 上野駅に着いて公園口がすっかり変わっていることに驚く。(帰り際に駅の売店に立ち寄り、去年の春から…とっくに…新しく変わってい…

浜辺のミユビシギ

5日、ベランダに出ると、あまりに秋らしい空気だった。その空気に、かすかにキンモクセイの香りが含まれているように感じた(どこかで、本当に、もう咲き始めたのだろうか?) あまりに秋らしくなったのが嬉しかった。で、夕方、久しぶりに海に向かった。 浜…

秋を待つ:1986年のドレスデンの写真から

今日も残暑の一日…ただ、風が戻ってきている。部屋を吹き抜ける風に、レースのカーテンは大きくはためき、遮光カーテンも重そうに躍っている。 残暑に一区切りつきそうな8月末。海からの風が戻ってきた分だけ、圧迫されるようだった呼吸も少し楽になっている…

「ゼンパー美術館」とは?

耐えがたい残暑だ。 この数日、朝から南の窓のカーテンを閉め切り、人工的な光のもと、扇風機を2台回しての修行(?)が続く。 ただ夜が来るのを待つだけでは苦しい(なぜ夜を待つかといえば、夜になれば冷房をつけることにしているから…2011年の夏以来のや…

22年の1月には…。

25日、夕刊を見ていた家族が「フェルメールの記事が載っている…」と声をかけてきた。 夕食後に読んだその記事はベルリンから届いたものだった。タイトルは「名画に現われたキューピッド」。 フェルメールの作品『窓辺で手紙を読む女』の当初の姿が、修復によ…

新しい季節のはじまり。

8月の満月の夜、横浜市長選の結果が出た。 IR誘致の流れが止まった。 今年は、立秋を境に、本当に秋の気配が漂いはじめていた。 これまでにないような新しい季節は、こんなふうに始まるものなのだろうか。 いつも通りではない、新しい季節が始まっているこ…