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私の第三十四夜をつづります。

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2014.4.30

春の雨のなか、今日も図書館に向かった。公園の石畳の道を歩いていて、足が止まった。いつもの時計塔や、宮沢賢治の言葉を刻んだ石のモニュメントが、雨に濡れた新緑に囲まれ、うずもれて見えた。季節がまた進んだのだ。 宮沢賢治の言葉…私は宮沢賢治につい…

相模権守・源重之と”こゆるぎの磯”の歌

相模国府域15遺跡の消長の様相について、その遺跡別・時期別の竪穴建物軒数を見ると、大きく二つのグループに分けることができる。ピークが主として8世紀前半にある遺跡、主として9世紀後半にある遺跡、というふうに。そして、それらのほとんどの遺跡が10世…

2014.4.28

また記憶が作り替えられていた、というより、錯誤の記憶にすり替わっていた。 その映画には、ドナルド・サザランド(サザーランド?)という名前の人が出ているらしかった。その名前には、特別、聞き覚えがあった。学生時代に観た風変わりな映画の主演俳優だ…

2014.4.26

若葉の季節になって、世の中は連休を迎えた。 私が出かけるところと言えば、海か図書館ぐらい…と思う。 いつ頃だったろうか。何にも興味をもてなくなった時期があった。今も、実際に出かける機会が増えたわけではないけれど、見たいものや出かけたいところが…

再び不動平へ(5)

「大光寺跡」(推定地)の地蔵尊石碑の銘文は、私の能力ではすべてを読み取れそうもなかった。”先達はあらまほしきことなり”と心得て、博物館で石仏を調査されているグループの方々に教えを請うた。幸い、この地蔵尊石碑の調査が終わっていたため、昨日、そ…

2014.4.23

先日から、久しぶりに新聞小説を読んでいる。 私が新聞の連載小説に興味を持っていた時期は、たぶん1960年代半ばぐらいだったろうと思う。きっかけは、『奇病連盟』という変わったタイトルの小説だった。内容は覚えていないけれど、「奇病」という言葉に強い…

再び不動平へ(4)

大光寺跡(推定地)の地蔵尊の左上に小さなお堂のような建物が見えた。土手を登ると細い道があり、その小堂が東向きに建つ。この小堂は大光寺跡を示すものなのだろうか。 足もとの下には地蔵尊の後ろ姿が見える。その道を東に進むと、今度は小さな鳥居と小社…

再び不動平へ(3)

17日に初めて確認した地蔵尊の石碑、また再び訪れた大光寺跡(推定地)と「不動平」推定地、その道筋で撮った写真をまとめておく。 ①地蔵尊石碑(1680年造立) 石碑の文字は、写真から判読できないものもあり、内容については不明のままだ。 地蔵尊は、なぜ…

再び不動平へ(2)

昨年来からの”不動平”をめぐる探索の一区切りにしようと、今日、覚え書きとしての地図を完成させた。記憶力の衰えを補うには、形に残すしかないから。 ただ、思い通りの地図は作れなかった。それでも、下吉沢の山を歩き回り、いくつかの資料を調べて、あれこ…

2014.4.19

昨日も、『やれやれ』としか言いようのないことがあった。 図書館からの帰りだった。 大きな店の野菜売り場で、後ろから誰かに声を掛けられた…ように感じた。 振り向くと、そこには見知らぬ帽子の人。私と同世代だろうか。 その人は真面目な顔つきで、私に向…

再び不動平へ(1)

昨年の今頃、下吉沢の不動明王像の足跡を追いかけていた。”不動平”と”大光寺跡”の場所を探して、下吉沢の山の中を何度も歩いた。そして、12世紀の不動明王像の数奇な足取りを、自分なりに夢みることができた。 ただ一つ、見ることができずに終わった場所があ…

走湯参詣ルート9 ~道草④~

道草の③で、『相模集全釈』からの引用として、最も重要な歌を書き落としていた。 522 走る湯に ゆきかよひにし みづぐきは 神の心は ゆかざらめやは (相模) 思えば、522の歌があるからこそ、歌人相模は”筥根”権現ではなく、走湯権現に参詣した、と確信でき…

走湯参詣ルート8 ~道草③~

昨日、走湯参詣ルートについて調べながら、改めて、そもそもの疑問(迷い)について考えさせられた。2012年5月31日の時点で、私は次のようなことを考えていたのだった。2年前の思い込みが確信になっている現在、その疑問(迷い)を解消しておこうと思う。 _…

2014.4.15

昨夜、博物館で教えてもらった”火星最接近”のことを思い出した。14日の夜空を見上げている人は多いことだろうと、眼鏡をかけてベランダに出る。 晴れた夜空。月が明るい。そのそばに、月にも負けない明るさで、白く光る星があった。あの星が地球に最接近した…

2014.4.14

海に向かう大通りで、貝探しから帰ってきた知人に出会った。手を振ると、自転車を留めてくれた。今日の成果を尋ねると、最近、貝がほとんど見つからないと言う。貝が拾えなかったので、綺麗な石を探してきたらしい。見せてもらった石は白くて、端に緑色の部…

走湯参詣ルート7 ~道草②~

7日に湯河原駅-熱海駅間を歩いたあと、「小田原道」について調べるなかで、図書館に、19世紀初頭に描かれた『根府川通見取絵図』の資料があることを知った。 昨日、気もそぞろに図書館に向かった。ドキドキしながら重厚な装丁の資料を閲覧させてもらう。さっ…

2014.4.11

7日に見た伊豆の海は青かった。 午後から、平塚の海の色を見に出かけた。 浜には裸足の少年が二人。打ち寄せられた石を波に向かって投げたり、波と追いかけっこをしたり。 しばらくして、少女が二人。やはり裸足になって波のほうへ駆けてゆく。すぐに、「冷…

2014.4.8

昨日、湯河原駅から熱海駅まで歩き通した。帰りの電車では、頭痛がひどくなりそうな予感があった。それでも、吐き気がするほどの痛みにはならず、夕食後、早々と布団にもぐりこんだ。 今朝は気持ちよく起きた。朝刊を取りに階段を上り下りする。ふくらはぎが…

走湯参詣ルート6 湯河原から熱海へ-海沿いの”山の中の道”

2年前の4月、歌人相模の走湯参詣は、海岸伝いの道を辿ったのではないかとの想定で、早川に出かけた。その時に考えたことは次の通りだ。 _______________________________________ 2012年4月18日【早川へ】 伊豆山に…

2014.4.6

ベランダのクリスマスローズの一つめの花は色褪せ、種をつけた。その大きな葉の下には、小さな白いスミレが隠れるように咲いている。かつて比叡山で見かけたスミレより頼りなげに咲いている。 図書館への道の途中で、似たようなスミレの群れがあった。まわり…

2014.4.5

きっと、私は何も見ていないのだと思う。 昨日は桜を見た。 今日、同じ道を歩いた。 するとどうだろう。 図書館前の噴水のまわりのケヤキたちが、それぞれの色合いで若葉を茂らせていた。 昨日のケヤキたちは冬枯れのままで、葉などつけていなかった・・・は…

2014.4.4

日本の人々が満開の桜を、その空を見上げる日々が続く。 図書館へと続く小径には、早くも桜吹雪が舞う。 旗弁をもつ桜の樹の下に広がる若緑の絨毯。 じきにピンクの花びら模様が散りばめられるだろう。 何て贅沢な季節。 一歩外に出れば、空も風も木々も小さ…

走湯参詣ルート5 ~道草①~

”相模の走湯参詣ルート”は、”相模湾岸ルート”ではないかと想定し、『相模集全釈』をもとに、”箱根越えルート”案も含めて、あれこれ考えたことをまとめてきた。”道草”の形で、書き落とした点を拾っておく。 ◆『相模集』では、「はこね山」の歌語のなかに、「…

走湯参詣ルート4 『相模集全釈』519・520・521の歌

『相模集全釈』(武内はる恵 林マリヤ 吉田ミスズ 風間書房 1991)より、引用させていただく。 【「雑」の部】 519 ふたつなき 心にいれて はこね山 祈る我が身を むなしがらすな 通釈 ふた心ない私をお心にとめてくださって、箱根山の向こうの権現様にお祈…