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私の第三十四夜をつづります。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

相模国府周辺の緑釉陶器、そして9世紀後半の源氏長者

相模国府周辺から出土した緑釉陶器の時期と産地について、平尾政幸・尾野善裕両氏は『湘南新道関連遺跡Ⅱ』(㈶かながわ考古学財団 2009)のなかで、次のように書かれている。 「以上、出土傾向を概観した結果、相模国府周辺での緑釉陶器の出土の初限(原文ママ…

相模国司-9世紀後半の介・橘岑雄、権介・橘休蔭

830年代から始まる相模国司・橘氏としての橘 峯継・真直兄弟の登場を、父・橘 氏公、ひいては橘 嘉智子や仁明天皇に係る人事であろうか、と推定した。 その氏公・嘉智子・仁明天皇が、848年・850年と相次いで没する。その後の9世紀後半についても、相模国と…

2014.6.22

20日、きっと訪れることはないだろう、と思っていた富岡製糸場を見学した。 久しぶりに集まった友人たちと富岡の町を歩く。町並みからも、世界遺産登録決定の一報を待ち望む思いが伝わってくる。 富岡製糸場を訪れる見学者は、ひきもきらない。次から次へ、…

相模集-由無言19 とらわれない歌人 曾禰好忠

『相模と「六人党」』(高重久美 文学史研究 2001)のなかで、歌人相模が学んだ形跡のある歌人として、「曾禰好忠」の名があがっていた。子どもの頃、「”ゆら‐ゆく”の歌」と覚えた百人一首の歌人だ。名前のほかは何も知らない。 今日、図書館の『国歌大観』…

2014.6.17

2014年の夏。 市井の人々のあずかり知らぬところで、日本国憲法が独裁者にもてあそばれた日々。 市井の人々と共に根をおろしてきた日本国憲法が、未熟な独裁者によって風船のように軽くもてあそばれた日々。 この夏のじりじりした思いを、私はどのようにふり…

2014.6.14

梅雨の晴れ間。 雨傘を日傘にして図書館へ向かう。 細い木陰道に入ると、さした傘の裏側がプラネタリウムのように点滅した。 ちょうど午後の光線が木々の間からさしこんでいたのだ。 歩くに連れて、傘のドームは次々と木洩れ陽の映像を映し出す。 それが面白…

2014.6.13

この頃は音楽も聴かない。 夜の月も見ない。 山の端に沈む夕日も見ない。 求めるものから遠ざかった。 きっと、その引き換えだ。 6月13日の海(1) 6月13日の海(2) そこからはどんなふうに見えますか?

2014.6.10

思いきって東京に向かった。 上野に着くと、ほどよい人出でホッとする。 久しぶりに歩く公園。 カフェが増えている。 深かった森が明るい。こんなに見通しがきくのか。 上野の森に大きな人工的な手が加わったことが明らかだった。 ともかくも、ようやく法隆…

2014.6.5

昨日の午後、図書館に出かけた。 初夏の自然な風がそよと入る窓辺の机で、みな、静かにうつむいている。 今はなんと平和な季節だろうと思う。 世の中に不穏な流れが姿を顕わしはじめる時代というのは、いつもこんなふうなのだろう。 そんな漠とした不安がよ…

2014.6.1

六月は特別な季節だ。 なぜ特別なのだろう。 たぶん、めまぐるしい花の季節が去り、いきぐるしい若葉の季節がひと休みしたから。 六月になれば、窓の向こう、遠い空のどこかに夏なるものが在るから。 六月を迎えれば、私は季節のなかへとはいってゆける。 い…