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私の第三十四夜をつづります。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2015.12.30

私の生活圏は狭い。それでも、義理やらしがらみやらをポンと捨象して(つまみ出して捨てて)、暮れも正月も無く過ごせるわけではない。信仰を持たないためだろうか、世間との絆を手放す意気地がない。年末年始という季節、毎度同じことを繰り返して倦んでい…

2015.12.27

25日を過ぎると、大人にとって、年末までの残りの日々はいよいよ駆け足になる。 子どもの頃は、ただただ、親戚の家でのお餅つきが楽しみだった。 年末の27~28日頃だったろうか。大家族の親戚の家では朝から大勢の人が集まる。竈の上で湯気の上がるセイロ。…

2015.12.22

子どもの頃、「時間よ、止まれ!」「時間よ、動け!」という言葉で、時間をあやつる少年が活躍するTVドラマがあった。その頃からだろうか、ふとした折に、時間とは?という疑問が頭の中で堂々巡りをするようになった。 大人になってからは、“輪廻”、“永劫…

四十八瀬川右岸の9世紀代の竪穴建物

19日、今年最後の現地説明会に出かけた。雪肌の富士山をバスの窓から眺める。電車に乗り換え、渋沢駅で降りる。まだ青々とした丹沢連峰を正面に見ながら、桜土手古墳公園まで歩いた。久しぶりに見る公園内の円墳群は、温かな陽射しに安らいでいるように見え…

三宮相模君を巡って(追記)

『雲居寺結縁経後宴歌合』の歌人である三宮相模君について調べていくうちに、三宮相模君とは、源義家室とされる藤原有綱の娘その人だったのでは?という妄想が生まれた。 この妄想にたどり着いた時点で、『摂津守藤原有綱家歌合』(1075年)を催すような貴族…

2015.12.17

2015年があと2週間で終わる。私の一年は…と手帳をたどる。手帳のメモがなければ、私の危うい記憶の収蔵庫には、茫々とした時間の流れの感触が収納されているだけだ。 春には友人が手術をした。このショックは大きかった。初夏は京都を旅した。ひたすら歩き続…

補記:高座郡衙のH1号遺物集中、遺構外の遺物のこと

1997年からサークルや講座などを通じて私が考古学を学んだ先生が、高座郡衙の年代について、2008~9年頃に主張されていたことの一つを書き忘れていた。 それは、下寺尾西方A遺跡の「H1号遺物集中」や「遺構外」の遺物が、高座郡衙が9世紀まで存続していた…

郡庁と館との関係

13日の茅ケ崎市遺跡調査発表会のあと、自問自答の堂々巡りが続いている。 今、もっとも知りたいことは、郡庁と館との時期的な相互関係だ。現時点で私が知り得る限り、これまでの研究者の方々の見解を要約すると、次の①~③のようなものになると思う。 【高座…

高座郡庁西側の遺構群から出土した遺物

13日の茅ケ崎市遺跡調査発表会では、西方遺跡第1次調査で出土した遺物も見学した。 1区の1号溝状遺構出土の鉄釘はしっかりと形を保っている。 墨書土器については、破片のために形状が分からず、また文字の判読も明らかでないようだった。素人の私は短絡的に…

高座郡庁の西側建物と溝状遺構

13日、茅ヶ崎市遺跡調査発表会に出かけた。下寺尾官衙遺跡群調査速報として「下寺尾西方遺跡第1次調査」の成果も聴くことができた。8月の現地見学会を見逃していた私にとって、高座郡庁の西側建物のあり方(西脇殿となる掘立柱建物や、郡庁西側を区画・囲繞…

2015.12.12

5日に『仮面舞踏会』を聴いてから、もう一週間が過ぎた。 今週はバスティアニーニのレナートを楽しみ、5日の感動の余韻を味わいながら過ごした。冬にはこうした楽しみがあったことを忘れてしまっていたのだ。 午後になって、図書館に立ち寄る。サークルが始…

ありがとうございます。

私の拙い独りよがりの文章を、私以外にも読んでくださる方がいる…コメントというものをいただくようになって、大変ありがたく感じています。 昨日、「最新のコメント」欄を改めて拝読し、これまで失礼を重ねてきたのでは、と思い至りました。このようなブロ…

2015.12.10

9日は冬晴れの空。高麗山に行きたいと思った。 街を通って花水川に出ると、安藤広重が描いた高麗山がそのま抜け出たような姿。平塚は海と川と砂丘の町であり、そして高麗山がそこにあることで絵になる町になったのだと思う。 山麓の高来神社では陽なたの落ち…

2015.12.8

もうすぐ私たちは寒々と冬木立 裸になった手足を冷たい空に伸ばすだけ 吹き来る風にさらすだけ ほら、今日が見おさめ、赤い葉、黄の葉 4日に拾った燃えるようなサクラの葉。8日には、すべての葉をふるい落としていた。 7日に頼んで撮ってもらった夕焼けの富…

2015.12.7

5日は渋谷で『仮面舞踏会』、6日は葛飾で『第九』を聴いた。行動半径1~2㎞の日々のなか、ほとんど音楽を聴くことが無くなった私にとって、まさに非日常の二日間。どこか通過儀礼のようになってしまった12月も、音楽の力を借りれば、心はずむ季節に変じて見…

2015.12.05

初めて…たぶん…二十三夜の月を見た。 思い描いていた通りの姿、傾きの月。 あぁ、これが二十三夜…と思った。 下弦の月が優雅に細まり、やや傾く。 何かを湛えているような、注ごうとしているような傾き。 やわらかく発光する月と拮抗するように、硬質の光を…

2015.12.3

午後になって外に出る。雨上がりだ。しっとりした冷たい空気。それはキラキラしていない。やっぱり冬なのだ、と思う。 何かを調べようとの目的も無いのに、それでも図書館に向かう。たぶん、私は家を出て、どこかに通わずにいられないのだ。自分とは違う場所…