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私の第三十四夜をつづります。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2017.4.30

今朝、セットしていたつもりのアラームが鳴らず、30分ほど寝過ごしてしまっていた。 慌てて支度をして、部屋を出る。 4時55分。金星はまだ見ることができるのだろうか…。 非常階段を昇り、7階の踊り場にたどり着いた。 東の低い空はオレンジ色に染まっている…

4月27日の”黄色い花”と”青い花”

木曜の朝刊には楽しみにしているコラムがある。 今朝はそのコラムと同じ面で、別の新しい連載「魂の秘境から」(石牟礼道子)が始まっていた。 彼女が記す水俣の人の言語には強い魔力が備わっている。 あっという間に、その世界に引き摺り込まれてしまう。 …

災いと希望

25日午後、衆議院財務金融委員会の中継を視聴した。宮本議員の発言のなかに”音声記録”(正しくは「録音された音源」)という言葉があった。驚いた。 夕方、夕刊一面に「辺野古埋め立て開始」 の文字が躍っていた。青い海の無念を思った。 夜になって、報道番…

活字の手触り

そわそわと落ち着かない日々が続く。 ”自分を形成していた形”が少しずつ壊れていくという、漠然とした、しかも確かなことであるような怖れ。 旅に出かける前から、ずいぶんとあてどなかった。 帰ってから、いよいよ本物になってゆく不安。 眼の前の持間を何…

眠くなってばかり

昼間、気がつくと、フワッと短い間、眠っていることがある。 電車に乗ればなおさら眠い。 線路のリズムはユリカゴの心地よさ。 そして、昼間、眠りに吸い込まれてしまう人は、みな気持ちよさそうなのだ。 今日、鶴見から帰る電車のなかでも、吊革に両手をか…

2017.4.19

南よりの風が吹きつけた18日。夕方になって海に向かう。 道々のサクラの樹冠は、夢見がちな桜色から、赤みを帯びた色合いになっていた。 サクラは短い夢から醒めてしまったのだな、と思った。 海に近づくにつれ、南風に海藻の生々しい匂いが混じってきた。 …

2017.4.17

16日夕方、今年初めてツバメを見た。 家の近くの電線にとまったツバメ。 (クリアになった眼で見たので、たぶんツバメ…。) ちょっと嬉しくなった。しばらく見上げていた。 携帯で…と思い、ガサゴソとした途端、ツバメは飛び去った。 家に帰ってから「ツバメ…

2017.4.14

早起きをした。 5時…日の出の時間だ。 いつものように窓のカーテンを開けてゆく。 いつもの空…とは違った空だった。 薄い青灰色の空に、白い顔が浮かんでいる。 南西の空に残るなつかしい顔。意外なほどの明るさに胸が躍った。 カメラを持ってベランダに出る…

2017.4.12

朝、ベランダに出ると、きらきらした光が眼に入った。 季節が一歩進んだと思った。 届け物を持って、海に近い次兄の家に向かう。 じきに初夏へとつながってゆく陽射しのなかを歩いた。 手術して曇りのない視界を取り戻した眼が、行く先々のサクラと出逢う。 …

2017.4.9 【3月29日の旅②】

~3月29日…旅の終わり~ 花市場から同じ道を戻り、ホテル前を過ぎ、花市場とは逆に南東へと進む。 旅の最後に訪れたのは、鎮国古寺。西湖に突き出た細い枝状の半島に建っている。 薄曇りの空に伸びる高い仏塔を目指し、湖沿いに歩く。 その十一重の仏塔は、…

2017.4.8 【3月29日の旅①】

今年の1月初めに読んだ朝刊のなかに、「花・雑貨…歩くコンビニ」」の見出しがあった。 そこには、今のハノイに生きる”花売りハインさん”、そして駄菓子や果物を売り歩く女性たちの姿が濃やかに描かれていた。 この記事を書いた記者さんも女性。心に残る記事…

2017.4.7

4日に眼を手術して3日目の昨日。 玉ネギを刻み続けているような痛みも消え、視界もこれまでになく晴れた。 大風を保護眼鏡で避けながら、図書館まで足を伸ばす。 そして、妖しい桜色の雲でおおいつくされたような大木を眺めた。 今年もこんなに華やかに咲い…

2017.4.6 【3月28日の旅】

2009年から8年を経て、2回目のベトナム北部の旅。 旅の初日はハノイ。 2日目はハノイから東へ約180kmのハロン湾へ。 3日目はハロン湾からハノイ近郊のバチャン村を経て再びハノイへ。 4日目はハノイから南へ約110kmのニンビンへ。チャン・アン渓谷と古都…

2017.4.5 【3月27日の旅】

今思えば、ハノイの町には若い人が多かった。 そして、何だか明るい眼をしていた気がする。 道路にはオートバイと車と物売りの人と歩行者とが入り乱れていた。 その流れは無秩序でありながら、それぞれが絶妙の距離感を保って共存していた。 ハノイ市街の空…

2017.4.3 【3月26日の旅】

3月26日のハノイの朝。 昨日と同じ曇り空。 街並みにはまだ明かりが点っている。 ホテルの庭を散歩して花や緑を眺める。 やや肌寒い空に鳥の啼き声が鮮やかに響く。 楽しみにしていたフォーを食べ、ハロン湾までバスで向かった。 湖のように静かな水面に、水…

2017.4.1 【3月25日の旅】

3月25日午後、8年ぶりのハノイの空は曇っている。やや温かい。 観光客で賑わう一柱寺で鳥のさえずりを聴く。 すぐに眼の前の木の枝葉のなかに、その姿を捉えることができた。 周りの街路樹には春めく花色。 薄紫色の花は「ホアバーン」、オレンジ色の花の名…