昼間、気がつくと、フワッと短い間、眠っていることがある。
電車に乗ればなおさら眠い。
線路のリズムはユリカゴの心地よさ。
そして、昼間、眠りに吸い込まれてしまう人は、みな気持ちよさそうなのだ。
今日、鶴見から帰る電車のなかでも、吊革に両手をからませ、眠る人。
その腕の預け方は、どこか、「聖セバスチャンの殉教」のような。
彼女は眠りの泥沼に深く埋没しては、時々、短く痙攣するように覚醒する。
『あぁ、とても疲れているのだな…』と思う。『きっと気持ちよいのだな…』とも思う。
眠りの心地よさと、その姿勢とは、どのような関係にあるのだろう。
近所の”眠り猫”