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私の第三十四夜をつづります。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

11世紀中頃の土器(大型鍛冶工房)

27日に桜木町で開かれた公開セミナー(かながわ考古学財団)で、湘南新道関連遺跡の遺物が展示されていた。相模国府域の遺物を見るのは夏以来だ。それも、国庁西脇殿と重なる位置に展開した大型鍛冶工房の資料だった。その鍛冶工房の廃絶時期(11世紀中頃)の…

2013.10.21

昨日も一昨日も、薄着で外出したことを後悔した。進む季節に身体も気持ちも追いつかないのだ。いつまでも夏の余韻が残っている。 そして今日は日陰を選びながら海に向かった。余韻としての習慣だ。 砂浜に出ると海は淡い翡翠色に光っていた。 沖の光る海水面…

2013.10.17

台風26号が大きな爪痕を残して去った。 16日午後、歯医者で治療を終えて外に出ると4時になっていた。そのまま、海に向かった。 国道附近の空には、トンボが勢いよく飛び交っていた。歩道橋を渡ると、海の轟きに囲まれる。 見慣れた海は一変していた。龍のよ…

相模集-由無言14 柱や壁に歌を書きつける ということ

「はるかなるほどにありしをり、目にわづらふ事ありて、日向といふ寺にこもりて、薬師経などよませしついでに。いでし日 柱に書きつけし 525 さしてこ し日向の山にたのむには 目もあきらかに 見えざらめやは 」(『相模集全釈』から) 『相模集全釈』の語釈…

2013.10.14

夕方の西の空に華奢な月が浮かぶ頃から何日かが過ぎた。 昨日は、駅前の大通りの中空に白々と明るい月がかかっていた。じきに十三夜…。 「 月見ては 心や行くと思ひしを 心ぞとまる あやな憂きよに 」 藤原範永 休日の街路に浮かぶ月 海岸に出ると、久しぶり…

宝城坊本堂下の調査

昨日、横浜市歴史博物館で開かれた「神奈川県遺跡調査・研究発表会」(神奈川県考古学会主催)に出かけた。そのなかに、歌人相模とも所縁のある日向薬師についての発表があった。 現在、伊勢原市の日向薬師では、宝城坊本堂の”平成の大修理”が進行中だ。日向…

2013.10.11

一日、ああでもない…こうでもない…と堂々巡りをして、気がつくと夕方になっていたりする。そんな時、いったい、私は何をしているのだと、本当にやましい気持ちになる。 蒸し暑かった昨日、同じように蒸し暑くなっていた頭の中に風を入れようと、外に出た。 …

相模集-由無言13 範永集のなかの相模(1)

今夏、図書館の奥の棚から初めて手に取った重厚な書物・・・今、この『新編国歌大観』を学生時代から読んでいたならと残念に思う。そのなかには、過去の人々の命、思い、詞がずっしりとおさまっていた。そして、『相模集』を囲むように、相模を廻る人々の歌…

2013.10.6

時には空を見上げても心が飛びたっていかないことがある。 そんな時も、海を見れば何とかなる。 海をわたってくる風の音。荒々しく、また静かな波の呼吸。洗われた砂に映る夕焼け。 いつのまにか、私のなかに海がはいりこんで、海にひたされ、海にとけていく…

相模集-由無言12 和泉式部集のなかの相模

『和泉式部集全釈 [正集篇] 』(佐伯梅友 村上治 小松登美 笠間書院 2012年)において、和泉式部が相模や大江公資とやり取りした歌とされているものを引用させていただく。 471 我が宿を 人に見せばや 春は梅 夏は常夏 秋は秋萩 これを見て、一品の宮の相模 47…

2013.10.3

心とは時がそうであるように、とどめておくことができないものだ。人とかかわって生まれた思いが、時とともに遠いものになっていくことを、静かに受け止めている自分がいる。 時を経ることで、大切だったものは遠ざかるばかりで、やがて跡かたなく見失ってし…

2013.10.1

9月最後の日の夕方、海に出かけた。 浜から夏の名残はすっかり消えている。 崖のように高い段差の上に作られたボードウォークからは、白い波打ち際が隠れてしまっている。9月終わりの海は青い湖のように静まって見えた。 浜辺暮らしの猫が去ったベンチを振り…