enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.10.6

 時には空を見上げても心が飛びたっていかないことがある。
 そんな時も、海を見れば何とかなる。
 海をわたってくる風の音。荒々しく、また静かな波の呼吸。洗われた砂に映る夕焼け。
 いつのまにか、私のなかに海がはいりこんで、海にひたされ、海にとけていく。
 
 帰りがけにベンチを見やると、浜辺暮らしの猫のご主人の姿があった。
 今日は浜辺暮らしの猫が海に戻ってきているのだ。
 思わず、砂を踏みしめる足に力が入る。
 遠くから久しぶりに見る君は、なぜか、ベンチの下に隠れてしまった。 
 もぐりこんだまま出てこないのは、きっと浜の砂の感触をなつかしんでいるんだね。
 
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10月6日の海