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私の第三十四夜をつづります。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

法隆寺金堂壁画の”うねる瞼”

今春見学するのを楽しみにしていた「法隆寺金堂壁画と百済観音」展。結局、コロナ禍で見学の機会を失い、百済観音様は法隆寺にお帰りになった。 その見学の代わりにしようと、図録『特別展 法隆寺金堂壁画と百済観音像』(朝日新聞社 2020年)を取り寄せた。…

”千尋の顔をした資本主義”…そして”日・韓・台・香の合従策”…。

今朝、眺めていたツイートの最後にこうあった。 「…人間の顔のない資本主義から人間の顔をした福祉型資本主義へ。2分動画見てください。」 で、短い動画を見てみる。ふーむ、と思った。動画の中の白いボードには、話の概要と、その横に『千と千尋の神隠し』…

”野鳥の時計”

長雨の日々、澱んだ空気を震わせて鳥がさえずる。 その”野鳥の時計”を壁に掛けてから、1時間ごとに美しい啼き声が響くようになった。巣ごもりの部屋が、その瞬間、戦場ヶ原や伊豆高原の林にまぎれこむ。 今は夏鳥たちが訪れる。部屋に朝の光が届くと、アカシ…

「まあ いいか」を読んで。

夕方になって街に出ると、駅前で「2020年豪雨災害」の救援募金が行われていた。 2011年の大地震と大津波の生々しい記憶も消えないなかで、この数年、大雨や台風などによる圧倒的な破壊が容赦なく繰り返されている。そのたびに人々は打ちのめされ、打ちひしが…

「かやり火も ふせげと思ふを こぞの夏 煙のなかに たちぞさりにし」②

【248・349・453の3首】* 『相模集全釈』(風間書房 1991)から_____________________ ~中夏~248 したにのみ くゆる我が身は かやり火の 煙ばかりを こととやは見し (悶々とするばかりで、心がふさいで晴れない我が身は、蚊遣火の…

「かやり火も ふせげと思ふを こぞの夏 煙のなかに たちぞさりにし」①

コロナ禍と長雨が続く徒然なる日々。 遠のいていた歌人相模の世界をふと思い出し、本当に久しぶりに『相模集』を開いた。この数日のじっとりと湿った気分が、一千年前に”朽たし果てつる”と歌った歌人相模の言葉と、ぴったり重なるように感じたからだった。 …