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私の第三十四夜をつづります。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2013.8.27-夏の終わりに

夏を追いかける(1) 夏を追いかける(2) 夏を追いかける(3) 夏の終わりの夕波 夏の終わりの夕雲

2013.8.27

毎週月曜日、私は『オチビサン』に会うのが楽しみだ。今の住所に住むようになってから出会ったオチビサン。もう7年も経つのに、絵物語のなかのオチビサンはちっとも変わらない。昨日は、オチビサンたちと一緒に夏の後ろ姿を見送った気持ちになった。 そして…

相模集-由無言4 相模集への問いかけ

『相模集』は私が自ら進んで手に取った初めての古典だ。理由はひとえに”11世紀の相模国”に近づくため。つまり、11世紀の相模国司、11世紀の相模国の国司館、11世紀の相模国について、何か知り得るものがありはしまいか?という好奇心からだ。 しかし、その当…

2013.8.26

夏が終わってゆく朝 リ・リ・リ・リ・リ・リと 静かに時がきざまれて 夏鎮まると虫がつぶやく

相模集-由無言3 相模の「心のうち」

『相模集全釈』から、相模と権現僧の歌のやりとりを引用させていただく。 「 心のうちをあらはす 305 忍ぶれど心のうちにうごかれてなほ言の葉にあらはれぬべし 306 手にとらむと思ふ心はなけれどもほの見し月のかげぞこひしき 307 みつの星天つ星をもやどし…

2013.8.23

「処暑の夜を炸裂させて 木の間隠れの一瞬 花燃えつきる」 (南の窓越しに花火を見ながら) ________________________________________ 「た~まや~っ!」 西の窓からは、子供たちの歓声が聞こえてくる。なぜか「…

相模集-由無言2 「あつかはしきは 我が身なりけり」

『相模集全釈』の「流布本相模集」から引用させていただく。(以後、『全釈』と省略) 「終夏 247 ながながと思ひくらせど夏の日のあつがはしきは我が身なりけり」 「はてのなつ 346 夏の日のあつがはしと思へども心に入れて言ふにつくかな」 「六月 450 夏の…

相模集-由無言1

今夏、再び『相模集全釈』(武内はる恵 林マリヤ 吉田ミスズ 風間書房1991)を県立図書館から借りてみた。紫式部でもない。和泉式部でもない。相模国司大江公資の「つま」となって「相模」と呼ばれた女性。彼女が一千年前に残した歌の数々。そこから、21世紀…

星形鋲と淳和院出土の飾り釘

坪ノ内遺跡第5地点出土の銅製頭部星形鋲はSB01から2点、P09から1点、遺構外から1点出土している。報告書では「華奢な作りで、飾り金具としての使用が適していると思われる。(中略)厨子のような建具の存在を想起させるものである。」とされている。 この…

2013.8.9

平塚で戦後の復興を願って始まった7月の七夕まつりに対し、隣の大磯町の七夕祭(国選択無形民俗文化財)は、月遅れの8月に行われる。日盛りのなかで生と死の影が重なり合う季節だ。 数年前、西小磯西地区の七夕を見学した。今年は、8月6日の午後、西小磯…

2013.8.5

日曜日の夕方、浜辺では五時半を過ぎても、まだ多くの人が夏の海を楽しんでいた。 西の雲間から光が放射状に散らばって、海岸線に沿って並ぶ遠くの建物がくっきりと浮かび上がっている。 ベンチを見やると、何か茶色のバッグのようなものが載っていた。 近づ…

2013.8.2

浜辺から猫の姿が消えて、海への散歩がどことなく満たされない。 猫はベンチにすわり、私と同じ風景を見つめている…と思っていた。 私は浜辺暮らしの猫をひそかに友人にしていたらしい。私はいつもこんなふうだ。 今日の海は灰青色の空が低く広がり、浜辺の…