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私の第三十四夜をつづります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

明日は新しく始まる。

2019年12月31日の平塚海岸 12月31日。朝早く起きる。シャワーを浴び、洗濯をし、大晦日の買い出しに出かける。 街から家に戻っても、まだ9時だった。『そうだ 海、行こう…』(長塚さんの声が聴けなくなって、京都への旅心が薄れたような気がしているけれど、…

記事の切り抜き

27日になって、風邪がストンと抜けたような、楽な身体になった。溜まっていたことを片づけよう、という気持ちになった。 ずっと気になっていた年賀状書きは、クリスマス前後に終わらせていた(まだ鬱々としていたけれど、ご無沙汰をしている顔を思い出しなが…

下醍醐から上醍醐へ③

今回の風邪(インフルエンザ?)で、これまでの生活のリズムに少し変化が生まれた。ずっと音楽を聴くこともない干からびた生活でも、どうも思わなかった。それが、昔のCDをかけたりするようになっている。これは、思わぬ風邪(怪我)の功名かもしれない(年…

下醍醐から上醍醐へ②

12月16日、東京で学生時代の友人たちと逢った。その夜、寒気がおさまらず、熱を測ると37度5分あった。その後、38度まで上がり、全身の筋肉痛がひどくなってゆく。結果、まったく寝たきりの2日間を過ごすことになった。ちょっとした寝返りもままならず、台所…

下醍醐から上醍醐へ①

12月5日、奈良に出かけ、古墳主体部の発掘体験に参加した。旅に出る前、地道な発掘調査作業を経験していた友人と逢った。念願の発掘体験を前にして期待過剰の私が、「何か、すごい遺物が出たらどうしよう… 三角縁神獣鏡とか?」と話すと、友人は可笑しそうに…

さびしいけれど。

2011年3月から8年間、”YAHOO!ブログ”のぺージに、とりとめのない日々の思いを書き続けた。自分の人生の果てが迫ったように感じ、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで始めたのだった。 2019年12月15日の今日、その場所が消える。友だちに二度と会えなく…

望月は欠けてゆくもの。

12月12日の月 12日の夜。月が中空にさしかかる頃、ベランダに出てみる。昼間の暖かな陽射しの名残りがあった。 流れる雲のなかで浮き沈みするその月は、満月と見えて、すでに欠けはじめている月なのかもしれなかった。 一千年前、藤原道長が「望月のかけたる…

富雄丸山古墳で②

「斜縁神獣鏡」の破片 富雄丸山古墳の現場から部屋に戻ると、サプライズのプレゼントが待っていた。 つい最近の出土遺物「斜縁神獣鏡」*の破片が、用意されていたのだった。参加者たちは間近でその貴重な遺物を見ることになった。 「斜縁神獣鏡」のその破片…

富雄丸山古墳で①

12月5日の富士山(新幹線車内から) 5日、晩秋の奈良に向かった。その日の午後、「富雄丸山古墳」*の発掘体験に参加するために。 遺跡の発掘体験という”夢”…40代半ばから考古学を学ぶようになってから、できれば一度経験してみたいと思っていた。その夢が、…

上野~みなとみらい

都美術館で 師走に入った。1日朝、ようやく上野に出かけることができた。 師走の上野公園…桜並木の紅葉はすでに散っていたけれど、のびのびと大きく育った木々の黄葉・紅葉が青空に映えていた。 久しぶりの都美術館に着く。門の前には、寒そうな背中を見せて…

明日からもう師走…

11月30日。「明日からもう師走…」今日、友人からもらったメールのなかにそう書かれていた。ドキッとする。 毎年、12月ともなると、『ぐうたらな一年を過ごしてしまった自分』にがっかりし、落ち込む。今年も、『毎年ぐうたらなままの自分』にがっかりするの…

夜の湯畑で出会ったのは?

25日、友人たちと草津温泉に出かけた。 朝の電車から眺めた空はやや曇りがちだった。それでも、群馬県に入ると、青く明るい空に落ち着いた。陽射しも十分に温かい。旅日和の空…それだけで心が浮き立った。 久しぶりに会う友人の車にそれぞれの荷物を載せる。…

銭田川の水鳥たち

銭田川(11月9日) 初めての久米島だった。訪ねてみたいところは多く、時間は限られている。結局、あわただしい観光地巡りより、自分の足で歩き回るほうを選んだ。 地図を頼りに、イーフビーチから西に向かって歩き始める。その途中で銭田川に差し掛かった。…

久米島:11月の蝶・花など②

”小雪”を過ぎてからの空気は、冬の扉が開いたのだよと告げている。 その扉から吹き込む冷気のために、吸入薬の出番もこのところ多くなった。あの久米島の北風なら、私の気管支でも受けとめられたのにと思う。そして、冷気が近づきはじめたのと入れ替わりに、…

眠りの姿なのか、祈りの姿なのか。

11月18日の大山 18日、海老名市の龍峰寺・国分寺、厚木市の金剛寺を訪ねてきた。 とても風の強い一日だったのに、空気はゆるみ、西の空に連なる大山は、ほぼ青一色にかすんで見えた。 思えば、私たち一行がその日に拝観した仏様はいずれも、収蔵庫の闇のなか…

1945年夏の久米島を想う。

「…久米島に駐留した日本軍の通称「山の部隊」(鹿山正海軍通信隊長)が、6月26日の米軍上陸後にスパイ嫌疑で住民20人を殺害した。米兵に拉致された住民を「スパイ」と見なし、目隠しのまま銃剣で刺し、家に火をつけて焼き払うなどした。朝鮮人家族も犠牲に…

久米島:11月の蝶・花など①

初めての久米島…どんな島なのだろう…天気予報の変化に一喜一憂しながら、出発の日を待った。 それでも、出かけてみれば、11月の久米島の空は私には申し分のないものだった。海岸道路を吹き抜ける北風のさわやかさも格別だった。 ”イーフビーチ”や”はての浜”…

久米島の浜辺

2018年3月、初めて沖縄を訪ねた。以来、友人や家族に誘われて沖縄への旅を重ねるなかで、それまで縁遠かった南の国の人々や風土が少しずつ親しいものになってゆく。 一方で、ゆきずりの観光客として沖縄を旅する時間のなかで、疚しさに似た言い表しがたい気…

見慣れた空間から未知の世界へ

涼しくなって本を手に取る時間がほんの少し増えた。(といっても、新書判のように、とにかく小さな本を選ぶようになっているのだけれど。) その1冊目は『武士の起源を解きあかすー混血する古代、創発される中世ー』(桃崎有一郎 ちくま新書1369 2018年)。…

旅先からの葉書

昨夕、友人から絵葉書が届いた。絵柄は夕波とゴンドラ、そしてサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂*のシルエット…貼られていた切手も美しかった。(訂正しました:*1984年の旅でベネツィアに1泊した私の記憶といえば、サン・マルコ寺院とアカデミア美術館…

角の傷んだ小さな本たち

26日午後、大磯町に出かけた。 昔と変わらない大磯駅。バスに乗り、その日の行事の集合場所―”旧吉田茂邸”へと向かう。隣町に住みながら、その邸宅への関心が低いまま、焼失(2009年)以前も再建(2016年)以降も見学したことがなかった(ちょっと疚しい…)。…

”身の丈”という基本理念

☆【教育の機会均等】とは… _____________________ 教育基本法 第4条 (1) すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差…

海、富士山、そしてダンマパダ

22日、”富士山に初冠雪”と聞いた。翌日、澄んだ空が広がった。『海から富士山を見なくては…』と思った。 晴れやかな海岸通りには金木犀の香りがあった(気管支まで反応するほどに)。 台風のあとの浜辺には、積み藁状の漂着物の塊りが点々と連なっている。砂…

♪ Shule, shule, shule-a-roo… ♪

19日午後、博物館・地質分野のジオツアー(”金目川の古流路”)に参加した。 出発地点の花水川(金目川下流)の川原は、台風の名残り…夥しいゴミ(プラスティックボトルなど)…で無残な姿になっていた。そして、久しぶりに見る高麗山には秋の色が入り混じって…

「カテゴリーで見るのではなく」

11日の朝刊を12日夕方になって読み始める。 台風19号が近づいた11日、朝から富戸に出かけ、トンボ帰りをした。 しっかりと雨具の支度をして、治りかけの足で富戸の坂を登りはじめる。急坂を流れ落ちる雨は”せせらぎ”のような音を立てていた。靴も靴下も直ぐ…

葦原と木道に吹く風

ようやく涼しくなりはじめた頃、東京の友人とメールのやり取りが続いた。いつもより、美術展の話題が多かった。 友人は、”あいちトリエンナーレ2019”の「孤独のボキャブラリー」を観にゆくこと、できれば再開予定の”表現の不自由展・その後”も観たいと書いて…

空耳だったろうか?

昨日、急展開した事態の行方が気になっていた。 今朝、その件についての報道を耳にした。萩生田文科大臣が、「あいちトリエンナーレ 2019」の補助金全額を交付しない、とする内容の発表をしたという、その報道だ。 しかし、一瞬にして流れ去った文科大臣の言…

マッケンジーというジャーナリストが撮った写真

戸棚の奥に眠っている古い本のなかには、無残な姿のものがある。今日、もっとも無残な1冊を引っ張り出した。その薄手の学習参考書に掲載されているはずの写真を確かめるため。 『テーマで学ぶ 図説 中学の歴史』(帝国書院 1991年)は、すでに本体と表紙がバ…

お彼岸の海辺

21日朝、目が覚めた時、のどのあたりで突然ヒューという音がした。『そろそろ喘息かな?』と思った。でも、まだ苦になるほどではない。いつまでも寝ていたい気持ちよさを、エイヤっと振り切って起き上がる。涼しい朝は嬉しい。 午前中に次兄の家に葡萄を届け…

「昔も月は 見しものを」

『定家八代抄』で、歌人相模の歌は15首採られている。 その15首目の歌。 _______________________________________ 巻第十七 雑歌中 題しらず 1601 眺めつつ 昔も月は 見しものを かくやは袖の ひまなかるべき 『千…