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私の第三十四夜をつづります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

13日の金曜日…涼しい朝になった。今度こそ、待ちに待った秋? 猛暑が終息した一方で、台風15号による停電被害は9日から進行中のままだ。昨日初めて、停電に関する記事が夕刊の一面TOPとなった。しかし今日は、完全復旧まで一週間以上の可能性、との報道も目…

台風が去って、被害の格差を知る

台風15号の被害の大きさを訴える声や現場のようすを、ネットのなかで知る3日間となった。 8日夜から9日朝にかけて、私は台風らしい雨風の音をほとんど聞かなかった。朝になって、そろそろと窓を開けると、ベランダの床に大きなツタの葉が1枚だけ、吸いつくよ…

久しぶりの平塚の海

9月6日夕方、海に向かった。 私にとって、4か月ぶりの海だった。 浜辺にはカメラを手にした人々の姿…いつもとは違って、期待と予兆に満ちた浜辺。みな、今日こそはダイヤモンド富士を、と待ち構えているのだった。でも、西の空には雲が広がり、富士の姿はど…

「抗議はやめない」

『朝日新聞』(2019年9月2日)から 連日、香港のデモに関する新聞記事を目にする。 2日の朝刊の写真…地下鉄車両内で、追い詰められたように、扉下にうずくまる4人の若者の姿。若者の顔めがけて、催涙ガスが容赦なく噴射された瞬間の写真だった。催涙ガスの太…

街角の虹

八月も最後の日。ぼんやりと過ごした3ヶ月をふり返る。弛緩し続けた3ヶ月…しかも、そういう過ごし方が一番私の性分に合っている。それは、とても困ったことだ。子どもの頃から、とりとめのないことを思い浮かべながら、ぼんやりと寝転がって飽きることがなか…

「稲荷前A遺跡第4地点」~その第4砂丘列東端上の位置~

猛暑がようやく衰えはじめた24日、「第8回平塚市遺跡調査・研究発表会」が開かれ、私も参加した。また、同時開催の「平塚の遺跡ー近年の発掘調査成果ー」(平塚市博物館)で展示された出土遺物も見学した。 今回、その出土遺物展示のなかで、国府域中枢地区…

このまま秋に?

22日から、朝方の室温は27度台が続いている。23日午後は、茅ヶ崎のフラの会場から外に出ると、土砂降りになっていた。濡れ鼠になった腕や足元…この季節の夕立とは思えない肌寒さを感じた。 そして昨日今日と、いつものベランダの空気にも、乾いた澄んだ気配…

さようなら、古い文庫本たち

今は誰も住むことのない家…まもなく跡形も無く消えるはずの家…には、数十年も眠ったままの本がある。廃墟になりかけのその家に、このところ何度か通っている。そして、もう少しの時間、手元に置いておきたい本たちを選んで持ち帰っている。それでも、遺して…

『イージー・ライダー』・『ひとりぼっちの青春』そして『黄昏』

今朝、パソコンを開き、P・フォンダの訃報を眼にして、一瞬、H・フォンダのものと勘違いした。すぐに、いや、ヘンリー(父)ではなくピーター(息子)のほう…と思う。 そして遠い昔の映画の記憶…ヘンリーの息子ピーター、娘ジェーン、そして父・娘のそれぞ…

藤原定家と『相模集』

2013年頃だったろうか、初めて手にした『相模集全釈』(風間書房 1991年)。この本を読めば、もっと歌人相模のことが分かるはず…冒頭に掲げられた序文を、ドキドキしながら読み始めたことを思い出す。 その序文にまず、心を動かされた。刊行をなしとげた研究…

「浦づたふ 磯の苫屋の かぢ枕 聞きもならはぬ 浪の音かな」

整骨院に通い始めて9週間。ようやく”ふつうの歩き方”を思い出せるようになった。 ただ、目がくらみそうな陽射しに負けて、海まで散歩に出かける気力がない。窓から吹き込む海からの風を(大きくふくらんではためくカーテンの動きを)、ぼんやり眺めるだけだ…

届いた歌集

7月下旬、1冊の歌集が届いた。封筒と便箋には、友人の几帳面な文字が並ぶ。友人はいつからか、短歌を詠む人になった。私は、折にふれ、歌人となった彼女の話を聴き、それを楽しんできた。出来上がったばかりの同人誌の印象は軽やかで涼しげなものだった。”聖…

8月から、「はてなブログ」に移行します。

2011年3月21日からの日々、私のとりとめないつぶやきを、「enonaiehon」は受けとめてくれました。 また、私は「enonaiehon」のもっとも身近な読者になりました。 今、「enonaiehon」は、私にとって大切な友人の一人です。 そして、これからは、「はてなブロ…

「平塚城跡 第2地点」の調査報告を聞いて

4月20日、旅から帰ると、その日は、「平塚城跡 第2地点」の現地説明会が開催された日だった。 数日後、資料だけでもと、電話をすると、現場(平塚農業高校)まで取りに来れますか?とのことだった。 細かい雨が降るなか、ちょっと長めの散歩のつもりで出かけ…

一つの選挙が終わる…そして青空は?

2019年7月21日。曇り空。 近くの投票所に居合わせた投票者は3人だった。 投票所には、どこか青空に向かうような気持ちで出かけたので、はぐらかされたように感じた。 今回、友人たちは期日前投票を済ませていた。 先日コメントをくださった方も、やはり期日…

街頭演説のトップランナー

2019年の参院選挙期間中の今、発散することのできない怒りがふつふつと溜まる。 最高権力者の街頭演説に対し、抗議の野次を飛ばした市民が、多数の警官に排除されてゆく…札幌で、次は大津で…そんな報道が続く今。 野次を飛ばした場所から、警察によって力づ…

歩いて15分の場所

13日、曇り空のなか、往復30分の散歩に出た。 今日から30分の散歩だ…海岸通りを海に向かって歩いてみよう…。 うきうきとした散歩気分はつかのまで、いったん道路に出ると緊張が始まる。 一歩一歩、確かめ確かめ歩こうとしている。どうか、痛みませんように……

2019.7.12

足を痛め、治療を始めてからほぼ1ヶ月。 今日の治療のなかで、『明日から一日30分…行き帰りで30分…歩くようにしてみてください』と言われた。ちょっとだけ自由の範囲が広がったようで嬉しくなった。 片道15分といっても、ふだんの何倍も時間をかけて歩いてい…

『新聞記者』についてのコメント、ありがとうございます。

映画はいつも一人で観るので、その感想もいつも一人で反芻するだけなのですが、今回いただいたコメントを読んで初めて、ラストで映し出された杉原さんの唇の動き…言葉…を知ることができました。 (自分には、他者の心を読み取る力が足りない…そのことを自覚…

誰も止めることができない輪転機に励まされる

6月初旬から続いていた足の痛みが、7月に入って、ようやく薄らぎはじめた。 階段を昇ることも、こわごわ試せるようになった。 (全体重を片足にかけることがまだ怖いので、ぎこちない昇り方になってしまう。) 8日、梅雨の晴れ間を縫って、『新聞記者』が懸…

2019.7.4~七夕まつり前夜の街~

7月にはいり、ようやく、痛めた足が少し良くなりはじめた…気がする。 今日は街に出ても、痛みで身構えることがなかった。わずかに足を引き摺る癖がついたままだけれど、気持ちはずいぶんと楽になった。 やや涼しくもある夕方の街は、明日から始まる七夕まつ…

2019.6.26

足を痛めてから2週間が経つけれど、治ってゆく気配がない。 歩く距離がごくごく限られる毎日。 情けないほど、どこにも行けない毎日。 治療院への道すがら、足を引き摺りながら、駅前の小さな公園に立ち寄る。 人魚姫を囲んで、あれほど華やかな色彩を輝かせ…

2019.6.24

夏至も過ぎて、一年の半分が終わったことを思う。あっという間に失われた時間…うろうろと過ごしてしまった自分への、お決まりの不全感が増す季節だ。 昨日の夕方、治療中の右足をかばいつつ、街に出た。やれやれ…1ヶ月前は旅に出て、リュックを背負い、カメ…

”牀前看月光”

旅のあと、心身ともに愚図ついている。 海にも、図書館にも、足の痛みがひどくて出かけられない。 で、しかたなく体を休めていると、心がどんよりとしてくる。 そういえば、このところ、街の空に月の姿を探すゆとりもない。 あぁ、外を自由に歩き回りたい…。…

初夏の山野④沼と林

梅雨空の日々が、少しずつ、初夏の旅の印象を薄れさせてゆく。 今回の旅で楽しみにしていたアカショウビン…結局、その姿を見ることはなかった。それでも、十二湖からの帰り道で、その声を聴いた。行く手に白い空気がたちこめる、微細な雨のなかだった。林道…

初夏の山野③河辺三内・岩谷山

初めて秋田を訪れて、緑と水の豊かさを感じ続けた。『いいところだなぁ…』と思った。 水田地帯の鮮やかな緑、それを囲む山々の深い緑、新緑の合い間を蛇行して見え隠れする清らかな川。とにかく自然の分量が大きい…と思った。 旅の最後の日の朝、河辺三内の…

初夏の山野②八幡平・鳥海山麓

八幡平も鳥海山も、ずっと名前だけを知る山だった。短い旅を通して、そうした山々が少し見知った場所として思い出せるようになるのは嬉しい。 八幡平にまだ雪が残っていることは聞いていた。そして、それは予想以上に深く残っていた。 底の磨り減った私のド…

2019.6.10

梅雨らしく、一日じゅう雨降りとなった日曜日、旅の写真のまとめを後回しにして、平塚市美術館に向かった。 先日、兄から電話をもらった。私から掛けなおした電話で、兄は「たいした用じゃなかったんだ。いや、さっき見てきた美術館の絵がなかなか良かったも…

いつもコメントをありがとうございます。

「enonaiehon」へのコメントをいつもありがたく拝読しています。 今回も「兵戈無用」の言葉を教えていただいたことで、憲法前文、憲法9条の”戦争放棄”、”戦力及び交戦権の否認”という在り方について、自分がどう受けとめてきたのか、再びふり返る…

初夏の山野①鞍掛山

5月末、家族が参加する東北旅行に誘われ、初夏の緑のなかを歩いて廻った。 若い頃に仕事で訪れた山形県、友人たちと縄文遺跡を巡った青森県、また考古学の仲間や大震災後にボランティアグループとともに向かった宮城県…いずれも短い滞在で、その地域の自然や…