enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

”牀前看月光”

 旅のあと、心身ともに愚図ついている。
 海にも、図書館にも、足の痛みがひどくて出かけられない。
 で、しかたなく体を休めていると、心がどんよりとしてくる。
 そういえば、このところ、街の空に月の姿を探すゆとりもない。
 
 あぁ、外を自由に歩き回りたい…。
 すると、昨夜半、月のほうから訪ねてくれた。
 
 足を休めるために早くから寝ていた。ふと目が覚めると、枕元が白々と明るかった。
 寝ぼけながらも、『月?』と思って起き上がると、南の曇り硝子の窓に白い月の光がまあるく射し込んでいた。
 私が抜け出たベッドのシーツも、薄闇から浮き出るように白く照らされていた。
 真夜中だった。そろそろと窓を開けると、白い月が高くかかっていた。
 すでに、やや西の空に向かおうとしている。
 ほぼ満月と見え、左下にはひときわ明るい星を従えている。

 再びベッドに横たわり、窓辺を照らす白い光をぼんやり眺めているうちに寝入ってしまう。
 朝、目が覚めた時、部屋はすでに明るかった。
 知らないうちに月は太陽に変わってしまった…そろそろと起き上がる。
 
 (その後、調べてみると、昨日の月は月齢13日ほどの月だった。
 そして、直ぐ近くで輝いていた星は木星なのだと分かった。
 昨夜、月が訪ねてくれたからか、今朝はちょっと気持ちが明るい。)

【補記】翌日の17日夜10時頃に見た”ストロベリー・ムーン”(右上に写るのは木星?)
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