旅のあと、心身ともに愚図ついている。
海にも、図書館にも、足の痛みがひどくて出かけられない。
で、しかたなく体を休めていると、心がどんよりとしてくる。
そういえば、このところ、街の空に月の姿を探すゆとりもない。
あぁ、外を自由に歩き回りたい…。
すると、昨夜半、月のほうから訪ねてくれた。
足を休めるために早くから寝ていた。ふと目が覚めると、枕元が白々と明るかった。
寝ぼけながらも、『月?』と思って起き上がると、南の曇り硝子の窓に白い月の光がまあるく射し込んでいた。
私が抜け出たベッドのシーツも、薄闇から浮き出るように白く照らされていた。
真夜中だった。そろそろと窓を開けると、白い月が高くかかっていた。
すでに、やや西の空に向かおうとしている。
ほぼ満月と見え、左下にはひときわ明るい星を従えている。
再びベッドに横たわり、窓辺を照らす白い光をぼんやり眺めているうちに寝入ってしまう。
朝、目が覚めた時、部屋はすでに明るかった。
知らないうちに月は太陽に変わってしまった…そろそろと起き上がる。
(その後、調べてみると、昨日の月は月齢13日ほどの月だった。
そして、直ぐ近くで輝いていた星は木星なのだと分かった。
昨夜、月が訪ねてくれたからか、今朝はちょっと気持ちが明るい。)
【補記】翌日の17日夜10時頃に見た”ストロベリー・ムーン”(右上に写るのは木星?)