enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2017.4.14

 早起きをした。
 5時…日の出の時間だ。
 
 いつものように窓のカーテンを開けてゆく。
 いつもの空…とは違った空だった。
 薄い青灰色の空に、白い顔が浮かんでいる。
 
 南西の空に残るなつかしい顔。意外なほどの明るさに胸が躍った。
 カメラを持ってベランダに出る。 
 夜明けのひんやりした空気と白々とした月。
  
 早起きした甲斐のある一日だった。
 朝の電車は混み合っていなかった。
 雑居房のような眼科待合室で過ごす時間も、いつもよりは短いものになった。
 帰りの電車では、線路沿いの丘陵を彩る桜色の雲が、次から次へと流れていくようすを追いかけた。

 帰ってから、今朝の白い月の月齢を調べた。「17.36、居待月」とあった。
 今朝のあの白い月を、熊本の人々も眼にしただろうか。

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夜明けの西の空にとどまる月(4月14日)

210  有り明の 月はながめじ 今よりは もの思ふつまと なりまさりけり   相模
                                                (『相模集全釈』から)