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私の第三十四夜をつづります。

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

2013.11.29

2013年の秋を取り戻したいと思った。 朝食後、冷ややかな風と柔らかな陽ざしのなかを、総合公園に向かった。 私にとっては久しぶりの”遠出”だ。途中で街の傘屋さんに寄る。夏に日傘として使い続けた傘を直してもらうためだ。 その傘屋さんは、子供の頃は小さ…

2013.11.24

11月24日…日付けも季節も私から遠いところで進んでしまった。 43年前の明日、三島由紀夫は死んだ。戦争の時代を経験しない私にとって、生涯消えることのない凶々しい光景も、すべて映像によってもたらされたものだ。車上のケネディ大統領が撃ち抜かれる光景…

2013.11.19

たしかに灯っていた なにかの光をめざしていた でも それは夢のゆらぎだったのかもしれない 今 私は季節だけを追いかけ ふりかえらずに目をつむるのだった 灯から遠いところにもどっているのだろうか その先にまた灯が光りはじめるのだろうか 生と死の季節の…

2013.11.17

秋の三週間を棒に振った。それでも7割がた快復したことにして、昨日の午後、海に向かってみた。晴れやかな秋の空気に、よどんだ心と頭が洗われていく。 浜に着くとハマヒサカキのすえた匂いがした。7割快復の証しだろうか。 久しぶりの海は青く静かだ。波…

2013.11.09

昨日の海辺の夕景。 ミサゴが波消しブロックの上で休んでいた。ミサゴの視線の遠い先を、船がゆっくり東に向かってゆく。 貝拾いだろうか、制服姿の少女たちがラスター彩に輝く波打ち際をうつむきながら歩いている。 水鳥の群れが東の空へと飛んでゆく。ヘリ…

2013.11.8

昨日は風邪薬と吸入薬を処方してもらった。子どもの頃から通っていた海の近くの病院はすでに無く、同じ場所に建ったその大きな病院は、海への散歩のたびに通り過ぎるだけだった。新しい病院へと歩きながら、砂丘の上のサナトリウムといった雰囲気の昔の病院…

2013.11.6

昨日の散歩では体調が一進したような気がした。夜になって、錯覚だったと落胆する。今朝はもっとひどい。自分にうんざりしながら、思い切って出かける。仲間に会えば元気になれるかもしれない。 お昼に仲間の手作りの干し柿をいただく。しっとりとした飴色の…

2013.11.4

待っていた季節のはずだった。しかし、秋になると、子どもの頃に見ていたTV西部劇『ボナンザ』の画面の地図のように、メラメラと身体じゅうの皮膚や粘膜が炎症を広げていった。爽やかな秋を、ボロボロの燃えカスのような気分で過ごすことになるとは。 夜は…

相模集-由無言15 範永集のなかの相模(2)

ここしばらく、相模について自分の思いを繋げていくことができなかった。寝ても覚めても自分一人の内面世界と会話を続けていくことなどできない。たとえ山里深く棲む世捨て人であっても、日々何かしら食べていかねばならない。60歳を過ぎながら、しがらみと…