enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.11.8

 昨日は風邪薬と吸入薬を処方してもらった。子どもの頃から通っていた海の近くの病院はすでに無く、同じ場所に建ったその大きな病院は、海への散歩のたびに通り過ぎるだけだった。新しい病院へと歩きながら、砂丘の上のサナトリウムといった雰囲気の昔の病院のことを思い出した。正面の東門から入る時の車回しのスロープ。子どもの頃の私の家からは西の裏門を抜けて、海岸と同じような砂を踏みながら玄関に向かったこと。発作がおさまらずに点滴を受けた時の硬いベッドの感触。そして、しだいに呼吸が楽になっていく透明な感覚・・・細部の鮮やかな記憶が次々に浮かんでくる。しかし、今はその病院の面影を残すものは一つも残っていない。
 夕方には、薬の効果が出ているように感じた。ありがたい。空には三日月と、三日月から零れ落ちたような金星が光っていた。
 
11月7日の海①
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11月7日の海②
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