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私の第三十四夜をつづります。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2014.9.30

29日、友人とともに「国会包囲共同行動」に参加した。 議事堂をめぐる歩道には、押しつぶされた銀杏たちのしみが広がっていた。 『戦争に巻き込まれれば、人々は銀杏と同じだ。無人機、有人機の空爆で、人は簡単につぶされてしまう。命がしみになるのだ。』 …

2014.9.29

昨日の夕方、散歩に誘われた。 今日は富士山が見えるかもしれない、との言葉に、じゃ行こうかな、と応じる。 今年はどうしてか、数えるほどしか富士山を見ていないのだ。 (応じ合って出かける・・・『陰陽師』の好きな場面を思い出した。晴明と博雅が「行こ…

2014.9.28

昨日の午後の空は灰色だった。ところどころに水色の空が隠れている。 こんな空が広がって、風が吹いていれば、自分の身体が透明になって、どこまでもさまよえるような気がする。 海の近くの松林の空には、トンボがぴゅんぴゅんと飛んでいる…そうか、そんな季…

2014.9.20

富戸から帰り、ようやく息を吹き返した。 家には、若い頃に出逢った懐かしい人から絵葉書が届いていた。ユングフラウと刻まれた消印だった。絵葉書を受け取るたびに、若かった頃への疼くような思いが駆け抜ける。 昨日は安曇野の友人からメールが届いた。7℃…

2014.9.19

9か月ぶりに富戸に出かけた。イガ栗や緑色のドングリが落ちる富戸の急坂。なぜか苦も無く登ることができて喜んだのも束の間だった。ふだん、海と図書館に通うだけの暮らしに老化が加わって、めっきり体力が衰えていたことを思い知る結果になった。 当日はま…

2014.9.15

13日午後、久しぶりにプラネタリウムで星空を見上げた。しだいに解説者の声が子守唄のようになって、ふっと意識が遠のく。 夏が影をひそめ、私たちの頭上には秋の星空、冬の星空が用意されはじめているのだ。時の流れは淡々と一方通行でとりつくしまもない。…

2014.9.13

数日前、いつものように図書館で午後の時間を過ごした。夕刻、外に出ると雨が降っていた。雨の中に土の匂いが混じっている。自分が草のように潤っている気持ちになった。 “蛇抜け”…“竜巻”…凶々しく荒れ狂う力を潜在させながら、雨風が穏やかな呼吸で海沿いの…

緑釉陶器…雑感(5)

林B遺跡第2地点出土緑釉陶器の産地 今回、林B遺跡の緑釉陶器を他の緑釉陶器…とくに「猿投窯」と特定されているような資料と比べて見ることで、初めて意識したことがあった。それは (当たり前のことなのだけれど)、同じ陰刻花文でも、それぞれ違いがあると…

日本列島展を見て

6日、両国で数多くの発掘資料を見学した。 類は友を呼ぶのだろうか、展示ケースを覗き込んでいたら、後ろから声を掛けられた。数年前、一緒にカラムシで編布の衣を作った仲間だった。まさか、こんなところで逢えるとは。近況も知ることができた。元気な顔が…

緑釉陶器…雑感(4)

~尾野善裕氏の講演「平塚市出土緑釉陶器の歴史的背景~なぜ大量の緑釉陶器が古代相模にもたらされたのか~」を聴いて~ 〔3〕緑釉陶器の輸送手段は? 尾野氏の講演を懸命に咀嚼しながら、ふと疑問に感じた点もあった。それは緑釉陶器の輸送手段についてだ…

緑釉陶器…雑感(3)

~尾野善裕氏の講演「平塚市出土緑釉陶器の歴史的背景~なぜ大量の緑釉陶器が古代相模にもたらされたのか~」を聴いて~ 〔2〕「正月歯固」そして「乞巧奠」 *「正月歯固」* 尾野氏の講演のなかで、「歯固め」という耳慣れない言葉が印象に残った。その儀…

2014.9.5

夏の疲れがたまっている気がする。昨日は久しぶりに海まで足を伸ばした。 浜では、日焼けした逞しい青年たちがラグビー(?)の練習をしていた。 この風変りな形のボールは、もし地面に落とされると、どのような動きをするのだろう、と思う。 (選手たちは、ボ…

緑釉陶器…雑感(2)

~尾野善裕氏の講演「平塚市出土緑釉陶器の歴史的背景~なぜ大量の緑釉陶器が古代相模にもたらされたのか~」を聴いて~ 〔1〕弘仁三年・六年の尾張国司“滋野家訳”のこと 『湘南新道関連遺跡Ⅱ』の報告書で、初めて尾野氏の論考を読んでから、すでに5年が過ぎ…

緑釉陶器…雑感(1)

平塚市出土の緑釉陶器について、今回の「みどり色の器展」や尾野氏の講演をきっかけに、また新たな疑問が生まれてきた。自分の楽しみ…“相模国府の時代”をさ迷う楽しみ…を持続させるために、これまでも気になっていたこと、新たな疑問など、とりとめなく思い…

2014.9.2

”九月になれば”・・・こんなに涼しくなってよいのだろうか。 夜になれば虫たちが慎ましく秋の音を響かせている。 図書館への道でカツラの黄葉を拾う。すでにキャラメルのような甘い香りがしている。 八月は心うつろに季節もなく過ごして、九月になった。八月…