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私の第三十四夜をつづります。

日本列島展を見て

 6日、両国で数多くの発掘資料を見学した。
 類は友を呼ぶのだろうか、展示ケースを覗き込んでいたら、後ろから声を掛けられた。数年前、一緒にカラムシで編布の衣を作った仲間だった。まさか、こんなところで逢えるとは。近況も知ることができた。元気な顔が嬉しかった。
 20周年を迎えた列島展で、過去の展示資料や新発見の資料など、魅力的な遺物の数々を見ることができた。『平塚でこんなものが出たらすごいだろうな…』と思った遺物たちの写真を眺めて、興奮の余韻を楽しんでいる。
 
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 「三条院釣殿高坏」と記された墨書土器(平安京右京三条一坊六町)  以前、新聞記事で読んだ遺物だった。墨書の内容も、残り方も何とラッキーな・・・と思う。「西三条第」の主人である藤原良相は、9世紀代の相模国司として、橘氏・滋野氏・嵯峨源氏仁明源氏たちとともに名を連ねる人物だ。平塚市では天神前遺跡から「源」銘の墨書土器が出土しているが、こうした墨書土器を見ると、反射的にドキドキする。
 
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鋸(明日香村石神遺跡)  柄の部分がそっくり残ったのもラッキーなことだと思う。私の家にも似たような大きさの鋸がある(実家にあったもので、庭木の手入れに使った。柄に、このような美しい抉りはないけれど)。”実用の形”というのは、それほど大きくは変化しないようだ。”普遍的な形”に感動してしまう。