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私の第三十四夜をつづります。

相模国府と真田・北金目遺跡群

 投票を済ませた日曜の午後、平塚市博物館に向かった。博物館の奥まった特別展示室では、「真田・北金目遺跡群展」、「平塚市文化財展」が一挙に繰り広げられている。この日をずっと楽しみにしてきた。
 奈良・平安時代において、真田・北金目地域は相模国府とどのような係わり方をしていたのか。余綾郡金目郷とされる地域から、なぜ大住郡の郷名と思しき「方𦊆」墨書土器が複数出土するのか。
 また、国府域において、坪ノ内遺跡第5地点の大規模な総柱建物はどのような機能をもっていたのか。相模国庁の脇殿とされる建物を上回るようなその規模や、その時期(国庁廃絶以降)について、どう考えればよいのだろうか。埋納された「保」・「大夫」刻書土器が意味するものは何か。
 盛りだくさんの資料を前に心がはやる。眼はそわそわと遺物の表面をなめるだけで食い込んでいかない。共催の形をとった二つの展示を、結局、ごく偏った視点で見学し、未消化のまま帰ってきた。
 やはり、それぞれの遺物が出土したことの意味づけ、遺跡の性格について詳細な解説を聞いてみたいと思う。8月末の「平塚市遺跡調査・研究発表会」を待たねばならない。その日に行われる、やはり盛りだくさんの7つの発表を聞くことで、私の今年の暑い夏が締めくくられるはずだ。
 
真田・北金目遺跡群展からイメージ 1
真田・北金目遺跡群展から:鹿の絵画土器
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真田・北金目遺跡群展から:須恵器盤
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平塚市文化財展から:坪ノ内遺跡第5地点の緑釉陶器
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平塚市文化財展から:坪ノ内遺跡第5地点の「保」刻書土器
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平塚市文化財展から:坪ノ内遺跡第5地点の星形鋲
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