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私の第三十四夜をつづります。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

高村薫さんからの一撃

4月最後の日、八重山の旅の写真の山ももう少しで片がつく。 まとめ終わったら、海岸に行こう。高麗山に行こう。 こんな能天気な老人にガツンと強い一撃を加える記事が、今朝の『朝日新聞』に潜んでいた。 まさに、思考停止した日々を生きてきた。 今よりはも…

八重山の二つの星座

昨年3月、竹富島で「星見石」というものを初めて見た。 今年4月の小浜島では「節さだめ石」というものを見た。 それらの自然石が置かれた背景には、農作業に係わる実用的な意味があるらしい。 『石垣島の星見石について』(横尾広光 宮地竹史 2007年 国立天…

小さくて元気で明るい

小さな後ろ姿を見つめてしまうことがある。 ご主人が作ってくれた台車に萎えた後ろ足を預けて、屈託なく走り回る子犬。 スーパーのお菓子売り場の棚の前で、じっと見入ったままの子ども。 真剣に、生真面目にゆっくりゆっくり歩くおばあさん。 旅のなかで、…

亀井堂を見てから2年後のニュース

昨夜、眠気をさますような記事を読んだ。 (以下は、記事からの抜粋・引用) _________________________________________ 『四天王寺に7世紀の亀形石 奈良・酒船石遺跡と同構造』 2019/4/26 共同通信社 「四天王寺…

八重山のスミレとクチナシ

スミレは小さく細く、そしてたくましい。 クチナシは濃厚な白さと香りが蠱惑的だ。 どちらも、出会うとときめく(若い頃、そんなことはなかった)。 スミレ、クチナシ…八重山の旅でも出会った。 スミレは夏のような陽射しのもとで。 クチナシはスコールのよ…

八重山で探す”田中一村の世界”

八重山諸島の旅で撮った写真を見ながら、もどかしく思う。 八重山諸島で感じた”何か”がつかめない。けれど、確かに”何か”…を感じた。 それはたとえば、カンボジアやベトナムの風土に通じてゆくような、”南”の光、”南”の空気感なのだろうか?と思ったりする。…

2019.4.22

私にとって、空を見上げて心が羽ばたくのは、やはり一人旅だ。 空や風や光が語りかけてくるのは、やはり一人旅なのだ。 それでも…一人旅ではなくても…旅の空を見上げずにはいられない。 14日から20日まで、一人旅ではない旅をした。 昨年3月とほぼ重なるよう…

石垣島の月、平塚の月。

平成という時代、私は何をしていた?… それは、どこか曇り硝子を通して思い出すような時間の広がり。 母の病気をきっかけに仕事を辞め、そして、生きる意味が分からなくなった日々。 なぜ、今日も明日も生きなければいけないのか…もがき続けた時代。 ある日…

今から47年前の街頭演説

今朝、【田中角栄 1972年 街頭演説】という動画を見た。 演説者は街の人々に語りかけながら、その一区切り、一区切りで、何度も、何度も、「みなさん!」という呼びかけをはさんだ。 その47年前のしわがれた声の呼びかけは、PCの前に座っている2019年の私…

2019.4.13

一昨日の夕方、図書館から外に出ると、空が風でざわざわしていた。 そのざわざわは、公園のクスノキやケヤキの大きな枝が揺れていたからだった。 空に満ちるざわざわの音を聴くのは久しぶりな気がした。 クスノキやケヤキの明るい色の葉や枝の重なるなかに、…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道⑨~最後に花園左大臣家小大進の歌~

おさらいしつつ、ようやく最後のまとめにたどりつく。 まず、今回の旅を経た現時点での妄想のまとめは、次の通り、だ。 *歌人相模が初瀬参詣の往路で「竜田道」を通ったとするならば、地すべりの危険のある大和川沿いのルートではなく、雁多尾畑~三室山を…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道⑧

今回の路程のなかでの最高地点”伝 龍田本宮御座峰”(約285m)から、「留所の山」の脇を東に下り、「三室山」へ向かう。 (ちなみに、斑鳩町龍田の西を南流する現・竜田川のほとり…大和川との合流点近く…にも三室山〔82m〕があるという。ただ、私は、高向草…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道⑦

道標が立つ横尾付近の分かれ道で、青谷へと下る右(南)側の道を選んだ。 金山媛神社に立ち寄って、雁多尾畑の集落へ行き着く道だ。集落へは、やや迂回する道になるのかどうか、左(北)側の道も歩くことで比較できるようになると思う(『また、この地を訪ね…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道⑥ ~高向草春の歌~

おさらいばかりで、なかなか写真のまとめが進まない。 (グダグダ・アレコレ悩み迷うことを整理し、文章化する能力があれば良いのだけれど…。) 気を取り直し、まず、「竜田道」で経由する可能性のある地点(ポイント)について、次のa・b・c・d・e・f を選…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道⑤

「竜田道」について、『日本歴史地名辞典 大阪府Ⅱ』(平凡社 1986年)には、次のような記述がある。 _________________________________________ 「…(前略)…大和の竜田本宮(現 奈良県三郷町の竜田大社)から西の…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道④

”歌人相模が神無月に「竜田越え」をしたとすれば、なぜその紅葉の歌を詠み残さなかったのか?” 前回、この点について、『歌人相模は、敢えて”歌枕”とは無縁の、人知れぬ山里で詠んだ歌を残そうとしたのではないか』…そのような想像を書いた。 その後、この疑…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道③

今回歩いた道筋は、二つの案内図をもとに選んだものだ。 準備段階では『近鉄 てくてくまっぷ 大阪-16』と、『かしわらガイドマップ①雁多尾畑の里と竜田古道コース』。そして、探索の途中からは『うぉーきんぐmap 龍田古道』に頼って歩いた。 《主な通過地…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道②

歌に名高い「龍田川」…子どもの頃、「アラ・タッタ」と覚えた”百人一首”の歌が、能因が詠んだことを改めて知ったのは、歌人相模のあれこれを調べ始めてからだった。 (その能因も長寺谷詣でに際し、歌人相模と同じように「伏見の里」を経由しているが、果た…

歌人相模の初瀬参詣ルートを探して:竜田道①

”歌人相模の初瀬参詣ルート”を探しはじめてから、4年の月日が流れた。 2015年7月17日の『歌人相模の初瀬参詣ルート(2)』では、次のように書き始めている。 ≪歌人相模 ~ 初瀬参詣の連作7首(104~110)≫ ________________________ …