enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

八重山で探す”田中一村の世界”

 八重山諸島の旅で撮った写真を見ながら、もどかしく思う。
 八重山諸島で感じた”何か”がつかめない。けれど、確かに”何か”…を感じた。
 それはたとえば、カンボジアベトナムの風土に通じてゆくような、”南”の光、”南”の空気感なのだろうか?と思ったりする。
 そして、もどかしいのは、八重山諸島に最も近い台湾の風土、光、空気感を知らないので、一気に東南アジアへと飛んでしまうためだ。それが台湾にもあったりするものなのか、確かめられないからだ。
 
 また、旅の写真のなかに、田中一村の作品世界のなかで見知っていた”題材”を見つけ、彼が知っていた”南”の光や空気感を、少しだけ肌で感じることができたように思い、嬉しくなったりもした。
 ただ、晩年の彼が暮らしていたのは奄美大島であったし、彼が採りあげた題材のほんの一部しか、私の眼には映り込んでいなかった。
 それが季節の違いのせいなのか、関心の違いによるものなのか、分からない。
 それでも、”田中一村の絵画世界”が、強い光を隔てた小暗い”南”の杜のなかに潜む濃密な(?)生き物たちを、静的に再配置した世界であること…”南”の自然の濃密さを純化して抽出し、絵画世界のなかに詩的に言語化(絵画なので抽象化だろうか?)してゆく過程を、肌で感じとることができたように思う。

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田中一村の世界へ…八重山の杜:外の光(石垣市

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田中一村の世界へ…八重山の杜:アダンの実(黒島)

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田中一村の世界へ…八重山の杜:イシガケチョウ(小浜島

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      田中一村の世界へ…八重山の杜:月桃 ゲットウ石垣市

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中一村の世界へ… 近くて遠い海(黒島)