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私の第三十四夜をつづります。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2015.4.27

25日、楽しみにしていたオペラを聴きに出かけた。 8年前に『アンナ・ボレーナ』、『セビリアの理髪師』を、4年前の2011年3月5日に『ルチア』を聴いたきりだった。その6日後に大震災が起きたのだ。 大震災後、初めてのオペラの席は天井桟敷。予想よりもかなり…

2015.4.24

去年6月、友人たちと富岡製糸場や高山社を訪れた。世界遺産決定前日というタイミングだった。 今年は春の終わりに再会することになった。 去年と同じように、連日、友人の車が活躍する。 ”薄紅色”と白のハナミズキの花の街路を走り抜けた。 赤城の山塊に向か…

小筥根の郷、桑原(3)

二十四体の仏様が並び立つ人工的な展示室。閉じられた空間には自然の光も、川の音も、風のそよぎも届かない。信仰の心を持たずに仏像を拝する一方で、仏様たちにとって、ガラスケースの空間は息苦しくはないだろうか…などと思う。 しばらくして展示室を出た…

小筥根の郷、桑原(2)

美術館は仏の里の名にふさわしく、こじんまりとしたお堂のようだった。来館したばかりの方々に混じり、丁寧な解説を聴くことができた。 美術館の明るい大きな窓から、川向こうの長源寺の屋根、そして一段高台にある桑原薬師堂がわずかに見えることを知る。現…

小筥根の郷、桑原(1)

16日、箱根南西麓の函南町に出かけた。平安時代中期の木造薬師如来坐像、鎌倉時代初期の木造阿弥陀如来坐像を拝観するために。そして、平安時代の筥荷途とも係りそうな万巻上人ゆかりの桑原の郷を歩き、来光川をこの目で確かめるために。 朝の函南駅に着くと…

2015.4.16

めまぐるしく空模様が変化する。 洗濯物に陽ざしが…と思ううちに、にわかにかき曇る。 取り込んでしまおうか…と思ううちに、また陽ざしが出る。 昨日の天気は忙しかったのだ。 それでも雨は降りそうもないからと、海に出かけた。 海に着くころには、真上の空…

霧降の滝の不動尊像(2)

尾根道で木々の軽やかな緑を見上げていると、昼を知らせる街のチャイムが風に乗って聞こえてきた。“山王社”の下で中食をとり、分岐点の“カマトギバ”(平塚市博物館HPによる)から、宮下川を渡る道へと下った。途中、道下に大きな口を開く蟻地獄のような防…

霧降の滝の不動尊像(1)

12日、タチツボスミレが咲く山道を歩きたくなって、一年ぶりに下吉沢に出かけた。 もう一つには、”旧大光寺の礎石らしき石”を今度こそ確かめたいという思いがあった。 結果、今回も地蔵尊の周辺にあるはずの”礎石らしき石”を確認できなかった。 地蔵尊が佇つ…

2015.4.10

晴れ間が見えた昨日、高麗山のヒトリシズカを見に行こうと誘われた。 歩きはじめると、風が氷のように冷たい。 この冬のような風に、咲き残った桜も惜しげなく身をまかせて散ってゆくのだろう。 登りはじめた山道は一面に花びらが散り敷かれていた。贅沢な山…

2015.4.7

波の音はなぜ、心のざわつきを鎮め、消し去ってくれるのだろう。 琵琶湖の波はまどろみ、岸に寄せては寝息のような音をたてていた。 海の波の響きは、眠そうだったり、つぶやいていたり、 苦しそうだったり、吠えているようだったりする。 海の表情は、その…

2015.4.5

夕方の買い物から帰り、非常階段をのぼりながら足元を見ると、黄葉した落ち葉に気がついた。しかし、それは落ち葉ではなく、階段隅に潜む蛾の姿だった。 明日の朝、管理人さんは見逃してくれるだろうか。今晩のうちに場所替えすると良いのだけれど。覗き込む…

2015.4.4

4月4日の夜。平塚の海沿いの地域では、夜桜とともに皆既月食を眺めることはできなかった。 皆既月食はまた機会が訪れるのかもしれない。しかし、人生には、それがもう二度とない、その時が過ぎたらもう二度と機会が巡ってはこない、というものがあるのだ。 …

2015.4.2

満開の桜の大きな樹を見続けていると、密集した花の世界に吸い込まれそうになる。静かな妖しさ、静かな狂おしさ。花の精がいるような気がしてくる。 東京の友人のメールには、桜の写真、憲政記念館前に停車する街宣車の写真が添えられていた。 満ち満ちた桜…