満開の桜の大きな樹を見続けていると、密集した花の世界に吸い込まれそうになる。静かな妖しさ、静かな狂おしさ。花の精がいるような気がしてくる。
満ち満ちた桜は繚乱し、やがて一気に不穏な風の流れに身を任せるだろう。花の香に酔ってばかりではいられない。
先日、”我が国家”の”最高責任者”が詠んだ句
「賃上げの 花が舞い散る 春の風」
彼の心臓の強靭さにはやや劣る私の句
「値上がりの 花さきそろう 春あらし」
(本歌の「花」と「春」との重なり、展開の矛盾感をそのまま踏まえ、国民としての実感に変換した。)
友人が携帯で送ってくれた東京の桜