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私の第三十四夜をつづります。

2023-01-01から1年間の記事一覧

海へ。

ずいぶんと海を見ていなかった。28日、次兄の家に花などを届けに行った帰り、浜辺に寄ってみようと思った。 浜辺では、運動部の合宿だろうか、群馬県の高校生たちが走り込んでいた。空は気持ち良く広がっているのに、大島や富士山は影も形も無かった。 『………

2023年12月の彩り。

2023年は夏の猛暑、秋の高温が続き、季節の移り変わりをすんなり受けとめきれないまま、12月を迎えた。 急に、12月になってしまった気がした…本当に、これからお正月がやってくるのだろうか?…と。 それでも少しずつ、冬らしい冷え込みが続くようになった。 …

歌人相模の初瀬参詣推定ルート(20231122):大和川右岸から左岸、そして再び右岸へ(2)

今回の旅の地図(再掲):下記の記事に関連する地点は図中の①・⑥~⑩ 今回の旅で一番の収穫は、柏原市歴史資料館(⇒上掲の地図の①)でいただいたご教示だった(忘れないよう、ここに書き留めておきたい)。________________________…

佛法紹隆寺(諏訪市)を訪ねる。

年末を前に、友人たちと蓼科・親湯温泉に集まることになった。17日未明、平塚駅始発の電車で茅野駅へと向かった…私の場合、松本方面はいつも各駅停車で4時間半以上の旅になる…。 11月の一人旅に続く電車の長旅は、車窓から沿線の山景色などを眺めて過ごした…

歌人相模の初瀬参詣推定ルート(20231122):大和川右岸から左岸、そして再び右岸へ(1)

今回の旅の最後の日。21日はほとんど空身で歩くことができたけれどど、22日はヤドカリのようにリュックを背負って宿を出る(20・21日と、朝から夕方まで歩き続けたため、足の親指に靴擦れができていた。それでも、あと一日くらいは何とか歩けそうだった)。 …

2023年12月13日…明日から何かが変わる?

13日、受診する家族とともに横浜の眼科…私が昔、白内障手術を受けた眼科…に出かけた。 一日がかりの待ち時間は、溜まっていた新聞を読むことに使った(リュックは新聞で膨れあがった)。12月に入って朝刊の1面は連日、「安倍派」「裏金」の記事で埋めつくさ…

2023年の黄葉。

この秋のイチョウの黄葉は何だか一段と綺麗だ。 濃厚な黄金色となって、殺風景な街路を「秋!」にしてくれた。 ことに美しく黄葉したのは、私が見かけるイチョウだけだったのだろうか?

歌人相模の初瀬参詣推定ルート(20231121):”南海道”の「河内六寺」を訪ねて(2)

今回の旅は事前の勉強が足りなかった。 それでも、何はともあれ「柏原市立歴史資料館」に行きさえすれば、きっと「龍田道」について詳しく知ることができると信じて出発した(帰宅後、柏原市立歴史資料館 館長が執筆されたweb上のコラムをきちんと読みこなし…

歌人相模の初瀬参詣推定ルート(20231121):”南海道”の「河内六寺」を訪ねて(1)

旅の二日目は6時に起床。いよいよ今日こそ、旅の主目的…歌人相模の初瀬参詣ルートを探すこと…を果たさねばと気負い立ち、7時45分に宿を出る。王寺駅に向かう朝の通りはかなり冷え込んでいた。 この日(21日)の行程は次の通り。(下掲の”個人的map”:①~⑨ の…

旅のメモ:2023年11月20日(長岡宮跡を訪ねる)

朝の富士(11月20日 新幹線から) 11月20日、小田原で新幹線に乗り、京都に向かった。 前回の一人旅は2022年9月…京都からの帰りの新幹線では集中豪雨のために車内で1泊する羽目となった。今回の一人旅…無事に予定通りこなせるだろうか…。不安と期待で張りつ…

比々多神社周辺の今昔の姿を訪ねる。

26日午後、久しぶりに伊勢原市・比々多神社に向かい、「~比々多一万年の旅~ 比々多の今昔を歩くツァー」に参加した。 晩秋らしく菊の花が配された比々多神社境内から、化粧塚古墳(円墳)、前畑遺跡(縄文時代、弥生時代後期~古墳時代前期の集落跡)、下尾…

鎌倉国宝館で「實雄」に出会う。

28日、強い風が11月の空を真っ青にしていた。 午後、鎌倉に向かった。観光客であふれる小町通りを、老体の反射神経を精一杯駆使してすり抜け、黄葉・紅葉に飾られた鎌倉国宝館にたどり着く。 特別展「国府津山 寶金剛寺-密教美術の宝庫-」…これまで、寶金…

乙訓寺の仏様。

安祥寺の十一面観音様を訪ねたあと、JR長岡京駅で降り、バスで乙訓寺へ向かった。乙訓寺に着くと、再び小雨に見舞われた。(境内で出会った方に会釈をすると、ゆるやかな声で「よう おまいりですぅ」と返された。やはり、京都なのだなぁ…と感じ入る。) 乙訓…

山科の十一面観音さま。

20日朝、京都・山科駅。西の空には虹が架かっている。通り雨だった。 山科駅から坂をのぼり、山の麓の安祥寺に向かう。(この道を20代の私ものぼった…あの時、仕事で初めて伺った頼りない私を迎えてくださった先生はお元気に過ごされているのだろうか…。当時…

11月の夕空。

11月になって外出の機会がふえた。 家族に誘われて熊野古道の旅にも出かけた。(初めての紀州は良いところだった。念願の「那智の滝」も拝することができた。) ただ、外出先での緊張をひきずり、常に心がソワソワとして落ち着かない。 そして明日からは一年…

枯れてしまった一本松。

4日、水辺の楽校に散歩に出かけた。秋の三連休…水辺にはなぜか人の姿が少ない。 茶色に広がる畑の向こうに色とりどりのコスモスが咲き残っている。ハクセキレイたちが畑の中をピョンピョンと跳ね歩いている。畑から急に飛び立ったヒバリたちが上空を勢いよく…

東京の空の下で。

日本国憲法が公布された記念の日…その11月3日、東京に出かけた。 そして、東京長浜観音堂で薬師様を拝し、上野で『ノルマ』を聴いた。久しぶりに長浜の仏様に逢う。久しぶりにオペラを聴く。ずっとずっと待ち望んでいた一日だった。本当に私には贅沢過ぎる一…

平塚の石仏…お釈迦様と阿弥陀様に出会う。

29日、「上吉沢の石仏めぐり」(平塚市博物館)に参加した。 今回のフィールドの吉沢地区は土屋地区とともに、私には特別に魅力的な地域だ。(その自然も歴史も、海辺近くに育った私には未知の deep な空間に感じられるから。) そして、久しぶりに秋の上吉沢…

国府台野球場の発掘現場で…溝の謎は続く。

28日、調査中の国府台野球場の見学会が開かれると知り、再び市川市に向かった。 現場に着き、配布資料(第28-26地点1区・2区)を見ながら、まず1区で担当者の方の説明を聞く。今回、想定通りに「国衙の主要施設を区画すると推測される溝の北東隅(1区:「溝…

「The moon of the thirteenth night is beautiful.」と「十三夜的月亮很美。」

Google翻訳で「十三夜の月、綺麗ですね」の英語訳と中国語訳をたずねてみた。 どちらの翻訳音声も素敵だった。とくに中国語の音声は詩的に響いた。(ふだん耳にする「Duolingo」の英語は個性的な声と発音だけれど、Google翻訳の音声は淡々として聞きやすい。…

阿弥陀様…弥勒様…その違い。

19日に浄楽寺で阿弥陀如来様に、21日には称名寺で弥勒菩薩様にお目にかかった。 時を経ずして拝したこともあって、それぞれの仏様の印象の違いは、ことに鮮やかだった。 そして、その鮮やかな違いは、”如来”と”菩薩”という仏様の”在り方”そのものの違いなの…

浄楽寺:闇と蝋燭の空間で。

19日朝、横須賀の浄楽寺に向かった。 2018年4月に初めて拝観してからすでに五年が経った。当時、阿弥陀様の特徴的な視線が”彫眼”から発していると知って印象深く感じたことなどを思い出す。そして、今日はどのようなお顔をしているのだろうかと想像する。 境…

今年も秋がめぐってきたよ。

ベランダの窓から、金木犀のかすかな香りが迷いこんでくる。今日は貴方の誕生日。でも、ささやかな贈り物を届けることも、電話で貴方の明るい声を聴くこともない。 貴方がもういない秋。どうして? なぜ?逢いたいよ。声を聴きたいよ。 みんな、知らないうち…

「足柄」の神様・仏様たち。

秋晴れの13日、神奈川県立歴史博物館で開催中の『足柄の仏像』展に出かけた。 これまで、印刷写真で眺めていた仏様・神様が目の前に…。(あぁ、あのお像はこのような木肌、このような色合いだったのか…こんなふうな立体感だったのか…そんな驚きの連続だった…

美術館のラスター彩の器たち。

待ちに待った季節になった。 7日午後、「藤田嗣治の初期作品」を見ようと、平塚市美術館に出かけた。20代前半の彼が描いた「おことさん」と「自画像」には、とても繊細でやわらかで丁寧な空気感と…何よりも、若者のまっすぐな眼を感じた(彼の作品を、黒田清…

沖縄県知事の「判断保留」の重み。

今朝、開いた新聞1面のTOPは「辺野古 知事は判断保留」の記事だった。記事の横に掲げられた写真の県知事の表情から、その判断の重さが伝わってきた。 辺野古の最高裁判決について、9月初めに沖縄県(知事)宛にメールを出したあと、不安がまったく無かったわ…

満月に鴨長明を想う。

今夜は満月。 ベランダで月を待つ。 黒々とした建物の端の空がほのかに明るい。 月が近づいている。 おぉ…月がむら雲の波間を泳ぎながら、9月の夜空を渡ってゆくよ…。 雲があってこその月の光…おごそかな光。 『鴨長明集』より 36 くまもなき かゝみとみえて…

本当に久しぶりの海…。

海まで散歩することなく夏が終わった…長くて暑かった…。 今や、衰えた陽ざしも風も、海へと誘っている。次兄の家にブドウを届けるついでに、夕焼けを見てこようと海に向かった。 (平塚ではおよそ、春分は六時頃に夜が明け六時頃に陽が沈む。秋分は五時半頃…

仏様たちに会いに行く(2023.09.16)

16日、東京方面に出かけた帰り道、上野の東博に立ち寄った。その日、「京都・南山城の仏像」展が始まったのだ。 午前中、少量の水分だけで蒸し暑い中を歩き続けたせいか、よろよろになった身体で本館にたどり着く(なつかしいユリノキの木陰がそこにあった ……

「下総国府・葛飾郡衙」に会いに行く③

素晴らしいロケーションの会場は満席だった。小笠原好彦氏による文献学に基づいた講演「古代の下総と葛飾郡衙」が始まった。 私にとっては久しぶりの文献資料のレジメだった。眼を通しながら、下総国が11郡を擁する大国であること(相模国は8郡の上国)など…